この人に聞きたい:第1008回
(週刊冷食タイムス:25/11/25号)
日本向けの凍菜も製造
三島食品タイランド社長 柳川 憲氏
(やながわ・けん)タイに1999年赴任。セコムを経て、三島食品タイランド駐在員事務所の立ち上げから関わり、2015年に法人化、現職。京都市出身、同志社大学経済学部卒。1969年7月生まれ、56歳。
タイ市場に最適な商品作る
「ゆかり」で有名な三島食品のタイ現地法人。タイに根ざした営業活動、現地目線の商品開発で企業理念「食を通じて文化をつなぐ」を具現化。日本の食品メーカーの海外展開のモデルケースとも言える同社の取り組みを柳川社長に聞いた。
――タイ法人の位置づけは。
柳川 米国、中国に続き、タイ法人をアジア展開のハブとしています。シンガポール、米国、日本などへの輸出も進めており、特にシンガポールではレトルト惣菜など簡便商品が好評です。
――三島食品タイランド設立の経緯について。
柳川 2013年に駐在員事務所を立ち上げ、15年に法人化しました。当初は何の基盤もなく、現地市場に合わせた商品をゼロから作る必要がありました。
――展開している商品は。
柳川 主力の「ゆかり」、「かおり、「あかり」に加え、「混ぜ込みごはんの素」等を展開しています。さらにタイ市場に合わせ、ガーリックベースのふりかけやラーメンスープ、ポン酢、種無し梅、梅シートなど独自商品を開発しました。OEM供給も行っています。
――人気商品は何か。
柳川 ラーメンや餃子に合う調味料として食べる辣油やラーメンスープです。特にラー油は寿司店やしゃぶしゃぶ店などで需要が高く、売れ筋となっています。
――製造面での取り組みは。
柳川 刺身のツマや弁当用野菜など、日本向け冷凍食品をタイで製造し輸出しています。チェンマイ工場では地元農家と連携し、原料栽培から加工まで一貫体制を構築しました。赤しその栽培にも成功し、塩漬け加工を経て将来的には日本への原料輸出も視野に入れています。日本では夏の3カ月しか収穫できませんが、タイでは工夫次第で通年栽培が可能です。
――販路拡大の戦略について具体的に伺いたい。
柳川 バンコク市内のドン・キホーテや高島屋など日系スーパーを中心に、月150回以上のマネキン販売を実施しています。専属スタッフ約15名が試食提供や商品説明を行い、ブランド認知を高めています。「売場に行けば三島の商品がある」という状態を作ることが重要です。
――SNSを盛んに活用しているとか。
柳川 フェイスブックやTikTokで現地語によるレシピ提案や商品紹介を行い、若年層へのアプローチを強化しています。公式ウェブサイトも日本語、英語、タイ語に対応し、商品情報や企業理念を発信しています。