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この人に聞きたい:第1011回
(週刊冷食タイムス:25/12/16号)

特注品は外食大手から大量受注

(株)高砂 代表取締役社長  吉田 典靖氏

(よしだ・のりやす)創業100年を超える老舗の4代目。パイオニアを経て1999年に日本枝朶パーム工業(現高砂)入社。取締役、専務を経て10年から現職。1967年10月千葉県市川市生まれ、58歳。中央大学理工学部卒。

清掃用具の内製化に強み

 清掃用品メーカーの高砂が今年6月発売した「靴底洗いブラシ」が順調な滑り出しを見せている。外食大手からは特注品の大量発注を受けた。吉田社長はニーズの掘り起こしに手応えを感じている。

 ――靴底洗いブラシの特長は?
 吉田 衛生靴の底に付着した食品残さをポリエステル製の特殊ブラシでそぎ落とします。靴底の溝に入り込んだ肉片や野菜くずもかき出します。
 ブラシを手に持って靴底を洗うのではなく、ブラシを植毛した台の上に両足を乗せてゴシゴシこするだけ。両足を乗せることで、安定性が保たれ、転倒リスクを軽減しながら効率的に洗浄作業を進めることができます。

 ――市場の反応は?
 吉田 展示会に出展するたびに引き合いがあります。今のところ計画通りです。導入先の食品受託(OEM)工場では、これまで粘着マットを使っていましたが、クライアントの衛生検査で常に洗浄の不安を指摘されていました。そこで靴底洗いブラシを設置したところ、検査がスムーズに通ったそうで非常に喜ばれました。
 別の導入先はバケットに水を張り、底に人工芝マットを置いて洗浄していましたが、周囲に水が跳ねて不衛生なのと、汚れが落ちにくいことに頭を抱えていました。靴底洗いブラシを試したところ野菜くずも取れるようになって正式受注に結び付きました。

 ――靴底の洗浄ニーズがこれまで以上に高まっている?
 吉田 衛生靴はどうしても食品残さが残ってしまい、菌や虫の発生につながります。異物混入事故の防止の観点から靴底を常にきれいにしておきたいという意識が高まっており、ニーズの掘り起こしに手応えを感じています。

 ――欧州から最新機械を導入して特注品にも対応している。
 吉田 外食チェーン大手からはこのほど特注の「靴底専用ハンドブラシ」3千個を受注しました。通常のハンドブラシより毛量を減らし、その分毛丈を短くして強いコシを出しました。こうすることで靴底に付着した食品残さや細かい汚れもしっかり取り除くことができます。

 ――特注品に対応できるメーカーは少ない?
 吉田 国内の洗浄ブラシ製造は分業制が主流となっており、自社で植毛している国内企業はありません。当社は大手の冷食工場や製パン工場にも特注品ブラシの導入実績があり、おかげさまで業界では「特注品=高砂」として知られるようになってきました。

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