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この人に聞きたい:第19回(週刊冷食タイムス:05/10/18号)

日本の将来考え国産にこだわる輸入原料では福島で作る意味がない

トーニチ株式会社
代表取締役社長 岸 秀年 氏
(きし・ひでとし)慶応大工学部卒後、同社前身の東日本冷蔵入り。昭和63年6月から現職。昭和23年福島県出身。一男二女に恵まれた。

トーニチ(福島市瀬上町、岸秀年社長)はアイスクリーム、冷凍果実、ゼリー・プリンなどを生産、主に学給や産給向けに販売している。昭和三十七年冷凍倉庫業でスタート、その後工場を立ち上げメーカーに転身。大手冷凍食品メーカーのОEM生産も手掛ける。

――学校給食や産業給食に強いのがトーニチの特徴だが。

 学校給食向けは前々年、前年と売上げを落としています。それまでは販売領域の拡大で数字を伸ばしてきましたが、児童・生徒の減少もあり計画通りにはいきません。主力商品のゼリーやプリンは、ほとんどがスポット購買。オーダーが取れなければゼロの世界です。野菜の相場が安く給食予算が余れば注文が入りますが、余り過ぎても「もう少し高い商品はないのですか」となるので難しいですね。それでもゼリーとプリンで年間千八百万個を販売、年商の二割強の柱商品です。

――学校給食におけるデザートの位置付けは必ずしも高くない。

 チルド商品との競争もあります。昨年は横浜市でほぼ独占していましたが、他社にチルチルで取られました。秋から春にかけては解凍に時間が掛かるフローズンデザートは敬遠されるのです。我々も限られた設備の中で、新しい商品開発を積極的に進めています。その一つがプリンにトッピングした商品で、スーパーのチルドデザート売場で販売されています。チルチルではなく販売ロスの少ないフローズンチルドです。また冷凍食品ではありませんが、生鮮の桃を長期保存し、十二月に販売する研究を進めています。

――通常、桃は七〜八月に収穫するのでは。

 かつて福島県は桃の産地としてトップだったことを知っていますか? 知らないでしょう。いまや桃と言えば山形県や岡山県が有名ですから。福島県の生産者の協力を得て遅採りの桃を生産、十月に収穫して十二月に出荷すればインパクトがありますよね。低温保存で、まだ実験段階ですが、期待しています。こうしたフレッシュな果物と、加工した果物のセット販売も考えています。

――海外の原料でも良いのでは。

 ところが、学校給食では「輸入原料を使うなら福島で作る意味がない」と否定されてしまうのです。ただし当社が海外加工しないのは、それが理由ではありません。かつて中国での生産も検討しました。「国産だから安心で安全、海外産だから不安」という考えは間違いです。確かに国産は「安心感」がありますが、中国のしっかりとした工場で作るほうが「安全」と言える例はたくさんあります。当社が国産にこだわるのは、このまま海外に食料依存し続けても良いのか、という思いからです。

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