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この人に聞きたい:第31回
(週刊冷食タイムス:06/02/07号)

アールワイフードサービス中野勘冶社長に聞く
「モノづくり機能」提案
新しい視点からフレッシュを追求

(株)アールワイフードサービス 代表取締役社長 中野 勘冶 氏

当社「機能」と「鮮度」を提案

 昨年のソリューションフェアは『フレッシュってなに?』をテーマに掲げ、当社の機能を来場者に提案した。当社の社員は生き生きと仕事をしているか、商品はあらゆる意味で新鮮か、我々の提案は時代の変化を捉えているかなど、フレッシュを意味するところは幅広い。ある意味、自問自答でもある。「フレッシュのフルライン化」をめざす当社にとっての原点である。

 昨年に続き、今年も私がテーマを設定した。我々の熱い思いがきちんと表現されているか、来場者の皆様に忌憚(きたん)のないご意見を頂戴したい。

 今年のテーマは『フレッシュを科学する』。昨年のテーマをさらに掘り下げて、「鮮度ある商品力」、「鮮度ある情報力」、「鮮度ある感性」を追求していく。常に新しい視点から、フレッシュを追求することが我々の課題。顧客の悩みを我々の共通課題と捉えて、その課題解決に向けて提案を続けていくことがソリューションの意味するところだ。

 今回のフェアでは、従来と同等の商品と比べて、いかに優れたクオリティーをもち、どんなパフォーマンスを見せているかを表現したい。我々自身が新しいモノを発掘し、顧客先に提案してご評価を仰ぎたい。例えば、新しい冷凍技術のCASシステムや、三十日間栄養を損なわない低温チルドなど。我々が双方のプラットホームとなって提案することが大事な役割。またフェアのテーマの意味するところだ。これまで開催してきたフェアのテーマは、「フレッシュ」を核に全てつながっている。

 従来の問屋の展示会はメーカーの後追いに過ぎないものが多かった。メーカーが提案する商品を一堂に陳列して紹介するだけ。いわば新商品の集大成を披露する場でしかなかった。もちろん、こうした展示会にも意義はあるが、我々がめざすのは別。マーチャンダイジングを単なる「品揃え」と訳していた時代は終わった。そこに得意先の差別化になる「モノづくり機能」などのプラスアルファーがなければ、運び屋に過ぎない。

 フェアではメーカーにも相応の費用をご負担頂いているが、我々自身も多額のコストをかけて取り組んでいる。出展小間代で儲けるどころか、持ち出しの多い赤字展示会だ。多忙な顧客に会場まで足をお運び頂く以上、我々の提案からなにか新しい仕事に結びつくヒントを持ち帰って頂けなければ失敗、自己満足で終わってしまう。マンネリから脱却し、絶えずフレッシュを提案できる企業でなければならない。

 菱食のグランドフェア、当社のソリューションフェアに注力する理由は外部に対するものだけではなく、内部にもある。社員の資質のアップにもつながっている。フェアの反応は顧客にすぐ表れるもの。これを社員自身の成長のバロメーターに代えていかなければならない。その意味では教育・訓練の場でもある。一番大切な顧客の反応に、言葉だけではなく、モノやサービスできちんと体現できているのか検証すべき。また要望についていけているのか、あるいはリードできているのかを問い続けてほしい

 昨年六月のグランドフェア終了後、すぐに次のソリューションフェアの準備に取り掛かっている。自分で考え行動することがRYの生き方。与えられるものではなく、自らが考えなくては成長しない。この二年間でこうした芽が出てきたことが一番の成長だと思っている。私が指示せずとも、全員が参加し、学び、考え、議論する企業になるべきだ。幸い、課題は顧客から与えられ、共に考えて行動する機会に恵まれている。まさに当社の社員は日常のセールス活動の中で「お客様に育てられている」と言える

 事業環境は激変
 変化への対応を

 当社は新たなスタートを切って三年目の会社。この間、当初計画の「思惑内」と「思惑外」の動きがあった。予期しない動きの中に惣菜・デリカのチャネルがある。これまで脚光を浴びてきたデパ地下が、やや下火になっているのも一つ。

 そこで、より身近なスーパーの惣菜・デリカはどうあるべきかが切羽詰まったテーマになっている。少子高齢化、女性の社会進出、食の外部化が進む現代にあって、どれだけ店の差別化につながる提案ができるか、が重要なテーマになる。

 フードサービス、外食産業は実に難しい分野だ。本当の意味での産業構sで造はまだ固まっていないと思う。過去二年間取り組んできた結果、この部分は完全に思惑外だった。その思いの中から昨年十月スタートしたのが、個人経営の飲食店を対象とした食材配送サービス「RYQUE(リクエ)」事業。周囲から「ドン・キホーテ」だと言われようが、巨大マーケットの外食産業にアプローチする絶好の機会だと考えている。いままでは冷凍食品のRYと言われてきたが、我々がもつフレッシュのフルライン化がこんなに深まりましたよ、と提案できるだろう

 我々の強みとしてきた生協、コープも随分と性格が変わってきている。従来の協同購入は戸配にウエートが変わりつつある。戸配といえば、我々が別のチャネルでやってきた分野になる。例えばネットサービスのカタログ販売や、食材宅配との取り組みなど様々な形でお付き合いさせて頂いている。生活者イコール組合員であり、生協という枠を一度壊して考えてみようというのがライブネット事業部の役割。この部分にアクセントをつけて強化する。

 もちろん既存のマーケットも大事。特にリテールは当社の看板事業であり、大切にする。いまの四割、五割引セールが横行するなかで、どうあるべきか、メーカーは本当に差別化した商品で戦っているのか、やや刺激的に表現していく。不遜な言い方になるが「メーカーに目覚めてもらう」ことも重要なポイントになる。

 もう一つ、手薄のチルドも強化する。ただし(他社の後追いではなく)、我々が考えるチルドを提案していく。フレッシュのフルラインをすべての業態で、すべてのジャンルにおいて表現していく。それは二年目よりも進化した形で、提案するということ。私自身楽しみにしている。

 独自のアプローチできる会社に

 廣田正会長(菱食会長兼アールワイフードサービス会長)がこの会社を作り、わずか二年間で利益率を落とすことなく売上高三千億円の壁を破った。多くの方々の支持を得ながら、ひとつの青写真通りに進んでいる。この会社の意義は大きいと改めて感じている。また廣田会長が常々語っている「食卓の風景が変わってきている」ことを実感して、独自のアプローチができる機能を持てたことを感じている。

 二十一世紀への「衣替え」が非常にスピードをあげてきている。本当の意味で二十世紀から二十一世紀に変わろうとしている。それは社会、経済、政治と様々な場面に表れている。その流れの中で当社は誕生。大海の中に船出し、三千億円という壁を破ったが、ここで再度自社の機能を確認して、磨きをかける作業が必要。仮説したものを検証、確認していくことが、今後の舵取りに重要になる。

 年商規模で三千億円を超えたことにより、顧客からの一定の支持は得たと確信していいと思う。しかし万全ではない。得たものも多いが、失ったものもある。双方の歩む路線の違いで外食チェーンの大手と袂を分け百億円以上の取引を解消することになった。衣替えは単に脱ぎ捨てるだけではなく、再度衣を新調し直して二十一世紀に合っているかどうか、問い続ける必要がある。この過程でロスは飲み込み成長を続けなければならず、難しい所以でもある。実際、今九月期の第1四半期(十〜十二月)は苦戦している。

 組織間の壁は作らずに壊す

 組織は常に変わるもの。そこまで至らなくてもプロジェクトやチームを設けて対応すれば良い。当社は組織間の壁を作らないし、垣根が存在すれば壊せば良いという考え方。まだ若い企業であり、組織論で固めるよりも「優れた個人ブローカーの集合体」であっても良いのか、と考える。

 今年の春も約三十名の新入社員を採用する。比率としては女性の方が多い。歴史のある菱食と違い、当社は創立三年目の会社にも関わらず、有名大学の学生が門戸を叩いてくれることに驚いている。学閥などを言うつもりは全くない。若い会社に可能性を感じてくれる事実を大切にしたい。彼ら、彼女らの夢に応える企業でありたい。

 育児休暇を利用する社員も増えている。これは「またRYで働きたい」と考えてくれるからだ。社員は旧ユキワ、菱食出身、メーカー出身など様々。外の世界から人がくることは良い刺激になる。

 上場いつでもOKに備える

 上場については、いつでもOKという資格を備えておきたい。様々なタイミングの問題があるからで、慎重に対処したい。

 リクエ事業(個人経営の飲食店向け食材配送サービス)には各方面の非難があることも承知している。今回、業務用酒販店と手を組んでスタートしたのは、同業他社も手をつけてこなかった全く未知の事業で、酒販店が得意とする分野だったから。確かな手応えを得た段階で、いわゆる二次店と組み直す可能性もある。

 我々には苦しい授業料を払える能力があるが、現時点でこれをイコールパートナーである二次店に(負担分担を)お願いする訳にはいかないと判断した。確かな道筋が見えてきた時には、対等な立場で共にチャレンジする。

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