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この人に聞きたい:第129回
(週刊冷食タイムス:08/02/12号)

提案営業でデリカ二ケタ増

菱食 常務 福原 淑文 氏

 

市販冷食とアイス健闘

前12月期決算の詳細は15日の発表を予定しているが、低温食品は概ね前年比7%台の増収を見込んでいる。

チルド惣菜好調
地域対応を強化

 このうちデリカは10%強の増収と好調な他、リテール(市販用)も7%前後の伸びとなる見通しだ。業務用は2%程度の伸びに止まる見込み。アイスが20%を超える勢いで伸びている。7月までは気温の上昇が鈍く売れ行きが危ぶまれたが、8〜9月は暑くなり大きく伸びた。特に高級アイスの売上げが貢献した他、取引先の拡大も二ケタ増の要因となった。
 好調なデリカは既存客の伸びが純増となった。新規のお客様との取引開始もあったが、それ以上に既存店のインストアシェアのアップによるところが大きく、フードコーディネート本部のスマップを中心とした我々の提案営業がお客様に支持された結果といえる。特にチルド商材を使用した商品が多く導入されている。チルド食品は外食や給食、惣菜などあらゆる場面に登場するが、まだまだ種蒔きをして開拓すべき所は残されている。売場提案を着実に展開していくことが大事だ。
 またチルド日配品は地域商品が多いのが特徴。例えば、関西と東北では好まれる商品が異なり、メーカーも違う。本部一括でコントロールするのは物理的に無理。地域事情に応じたマーケティングが必要で、地域に精通した人材も不可欠。これまでもチルド専門の人員配置を実践してきたが、さらに増員していく方針。

 本年は中期3カ年計画の初年度にあたり2010年に低温営業部門ではチルド事業を1000億円に拡大する計画を打ち出している。既にCVSを中心とした顧客への取り組みも始まり、着実に推移している。
 当社が唯一取り組みが遅れてきた分野ではあるが、この3年間で事業基盤を固めるだけではなくまた単なる力任せではなく当社ならではの特徴をもち、お客様のお役に立つチルド事業を展開したいと思っている。是非ご期待にお応えできるよう全社を挙げて取り組む所存だ。
 リテールが7%前後で順調に伸びた。アイスを含めるとさらに大きな伸び率になる。リテールを既存店ベースでみるとほぼ横ばい。新規開拓分が貢献して、東京エリアは二ケタ増となっている。

 カテゴリー別にみると、麺が約7%増と好調。中でもスパゲティが二ケタ増と麺をリードしている。冷凍野菜は中国産バッシングの影響で一割減。主要品目の枝豆は15%減、いんげん、かぼちゃは17%減、混合野菜は13%減と落ち込んでいる。フレンチフライドポテトは微増。
 当社は産地別の動きも管理しており、中国産は昨年5月をピークに、以降は毎月前年割れが続いている。一次加工品の冷凍野菜はトップブランドメーカー品も動きが鈍い。
 一方、業務用市場だが、テコ入れのカンフル剤はない。物流やメニューなどの提案で、さらに顧客の懐奥深くに入り込んでいく姿勢が大事。外食ユーザーはプロであり、こちらもプロを育成して対応する他はない。
 「リクエ」という業務用宅配事業にも挑戦している。どこも手をつけていない新しいビジネスモデルだが、ソフト開発が着々と進んでいる。まだモデルとして完成していないが、会員数は3000を超え、さらに拡大を目指していく。地域に密着した首都圏を中心とした酒類販売店とスタートした事業だが、全国にある地域パートナーの食品卸店との取り組みも検討する。

安心安全の取り組み強化

 昨年来多発した表示違反・賞味期限の問題等、食の安全に対する生活者の目はますます激しいものとなってきている。当社は引き続きQU(商品データ管理システム)等のツールをさらにバージョンアップし取り組みを進めていく。

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