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業界交差点

この人に聞きたい:第131回
(週刊冷食タイムス:08/02/26号)

餃子事件で検査依頼急増

(財)日本冷凍食品検査協会 理事長 前田 重春 氏

プロフィール:(まえだ・しげはる)北大水産学部卒後、昭和48年入会。平成9年理事、12年常務理事、13年専務理事、19年現職。趣味は海釣り。昭和24年5月17日、札幌出身。

事件と品管は別の問題

 昨年12月1日付で専務理事から理事長に昇格。1月下旬の中国産冷凍餃子事件に素早く動き、新しい検査体制を組み上げた。事件が起きたからではないが、来春には横浜事業所の増築を終え、試験設備が拡張する。

――中国産冷凍餃子中毒事件の影響で業界が混乱している。

前田 事件が報じられた1月30日、直ちにメタミドホス(有機リン系殺虫剤)の正確な検査が実施できる体制を整えました。急を要することでしたので、メタミドホスの検査を最優先して納期を3日間と最大限に短縮。その後、中国で加工した冷凍さばからジクロルボス(同)が検出された問題で、検査依頼が殺到。1月31日から2月16日までの17日間でメタミドホスの検査依頼が約1200件、ジクロルボスの検査依頼は約900件、この2種類の検査だけで約2100件に達し、今も増え続けています。

――中国産品は全て危ない、という誤解がまん延している。

前田 事件と品質管理の問題は分けて考えなければいけません。餃子事件の原因究明が終わっていない段階で、原料由来の違反が見つかり、報道する側が混同、報道を見た消費者の誤解を招くという悪循環に陥っています。活字で事件の裏側を自分なりに考える人が減り、映像で瞬間的に判断する傾向が強いのも問題でしょうね。時間に追われている検査現場にテレビカメラが入ってくるのは正直言って邪魔ですが、何か問題を隠していると邪推されるのは業界のためにもなりませんから、オープンに取材してもらっています。法人名に「冷凍食品」を冠しているだけに問い合わせが多いです。

――冷凍食品工場を一般の人に見てもらうのが手っ取り早い。

前田 そう中国と日本の工場を多くの人達に見学してもらえば、そこに理解が生まれるでしょう。消費者1万人を観光付きの1日記者として中国に派遣するとか。安全・安心な付加価値の高い食品を低価格で作るには、中国の協力なくしてはできないという現状をしっかりと示すべき。中国のイメージ回復は日中双方にとっての利益になりますから。そもそも日本も昭和30年代に多くの農薬中毒者を出しており、その後で行政機関が動いて農薬散布の注意点などを指導し、事故を減らしたという経緯があります。

――横浜事業所を増築するが。

前田 試験設備の拡張と国内外の技術者研修施設の整備が目的。分析・検査ができる技術者を育成し、きちんとした教育が受けられる体制を来年の2月までに整えます。技術者のレベルを世界で通じるものにしないと、正確な検査は不可能。国内だけではなく、海外研修生も受け入れる考えです。中国人スタッフは東京本所と中国山東省青島に1名ずつですが、4月にもう1人、5〜6月中国厦門大学の学生2名、10月には同大学の助教授も日本への留学を希望されています。研究には「ここまでで終わり」という限界はなく、日々研究が必要です。

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