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この人に聞きたい:第141回
(週刊冷食タイムス:08/05/13号)

冷凍食品の価値見直し

潟jチレイフーズ 商品本部 商品第一部長  丸山 雅章 氏

プロフィール:(まるやま・まさあき)昭和58年入社。九州、関東、本社、関東と営業畑。九州支社長からMKG部部長、4月の改組で現職に。33年11月東京生まれ、日大法卒、49歳。

「本格炒め」級商品打ち出す

 4月の組織改正でマーケティング部部長から調理冷食担当の商品第一部長に。原点であるモノづくりから掘り下げる一方、「現場力」を強調するのは本社と営業の第一線をともに経験してきたこの人だからこそ。

――どこも苦労が続いている。

丸山 さすがに中華系惣菜は厳しい。しかし天洋食品事件で冷凍食品が生活に深く浸透していることが、皮肉なことだが、広く認識されました。冷凍食品を必要とする人がたくさんいることも再認識できた。環境は厳しいが、必ず冷凍食品の需要は復活する、また、復活させるぞと強い意志で考えています。

――業績は悪くなさそうだ。

丸山 2月の市販用冷食は三割前後の出荷ダウンでしたが、3月は後半に相当盛り返し、3月単月で10ポイント戻しました。業務用は引き続き堅調で、2〜3月も10%近い伸びを確保しており、利益も相当改善が進んでいます。市販用の苦戦を業務用がカバーする形。

――その点ではニチレイの冷食事業本来の姿が戻った。

丸山 モノづくりと営業の力がうまくかみ合ってきた。原料高で利益が消えるところでしたが、昨年、業界に先駆けて価格改定を率先した時も、営業が頑張ってくれました。当初は相当顰蹙(ひんしゅく)を買いましたが、でも、その後、市場のご理解を得られた。

――春先の弁当需要を契機に、冷凍食品の復活を図っている。

丸山 売上げは戻りつつあり、しかも、店頭で値引き販売が減っている。悪いことばかりではない。いまが肝心。商品で問題を起こさないのはもちろん、商品と販売両面で積極的に攻めるべきです。春先に弁当商材で無添加と自営工場の安心品質を訴えかけましたが、さらに攻めます。きっかけを見定めながら、期半ばでも新商品を打ち出します。本当の需要回復までには時間も金もかかるのは覚悟しているが、ニチレイフーズはそれをやろうと腹を固めました。

――何よりも、本格炒め炒飯に並ぶような大型商品が待たれる。

丸山 新商品開発はメーカーの基本。しかし「本格炒め」のような商品が突然生まれるわけではない。技術開発にも相当の時間と金がかかる。でもそれができる体制になってきました。単品、あるいはカテゴリー面でも開発を進めています。右肩上がりの時代とは違った商品開発と営業提案の方法が少しずつ見えてきました。各部署で「次、何やろうか」と考え始めた。ニチレイフーズには新しい芽が出て、変わり始めています。

――例えば?

丸山 冷凍食品の価値とは何か、と掘り下げて考えています。これまでは簡便性を追求し、レンジから自然解凍に進んできましたが、これでいいのか、と。周囲に惑わされず、安易に走らなくなりました。商品、カテゴリー、あるいは商流、物流も含めた全体の仕組み、構造を見直し、顧客の本質を見抜く作業も始まってます。それをモノづくりに落とし込むのが商品部の仕事。「現場力」を商品に具現化したいと考えています。

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