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●10連休の動き、大きな混乱なし 　佐藤巳喜夫 （週刊冷食タイムス：19/05/21号）

先付け在庫でカバー、休日出勤も

　史上最長の１０連休は、当初懸念された受発注、物流などに大きな混乱はなく、メーカー、問屋ともに対応可能な範囲で業務を消化した模様。

　確認できたメーカーで受発注や出荷・納品に大きなトラブルが発生したところはなかった。

　問屋では連休前に商品を買いだめするため受発注にやや混乱があったとする企業が複数あったが、出荷と納品も含め「問題が生じた」というところは一件もなかった。

　連休中に得意先からの受注、メーカーへの発注や配送のため社員を何日か出勤させたところは少なくないが「全社出社日でも有給休暇の従業員がいた」（ウルノ商事、ジーケーエス）、「交代で休んだ」（中村角）。
　メーカーでは「一部（物流部）のみ出勤した」（ヤヨイサンフーズ）ところもある。

レジャー向けやスナック売れた

　連休中に良く売れた商品は「オードブル」（ＫＳ冷食、ハウディなど）、「メンチカツ（量販店惣菜）」（ヤヨイサンフーズ）、「ハンバーグ（テイクアウト弁当）」（同）、「から揚げ、串もの、スナック類」（ハウディ、ウルノ商事、きゅうざいなど）。惣菜向け餃子は弁当に（美濃忠）、寿司ネタ（中村角）もスーパー惣菜向けに需要を増やした。

　良く動いた販路はレジャー施設（ハウディ、きゅうざい）、外食料飲店（ハウディ、ウルノ商事、きゅうざい、中村角、ジーケーエスなど）、「テイクアウト弁当（オードブル）」（ヤヨイサンフーズ）、「施設・病院（デザート・和菓子）」（同）。

　連休直前に放映されたテレビの冷食総選挙で紹介された家庭用商品は連休中に良く動いた（日本水産、ＫＳ冷食、テーブルマーク）。

学校の給食実施数、行事食影響

　連休明けに現場では何が起きたか。「新元号令和デザートが（連休明け初日の）７日の学校給食に間に合った」（美濃忠、ＧＫＳ）、一方で「受注締め切りまで日が限られたため予想より不振」（ウルノ商事）。

　通常より配送対応が限られたため、在庫は大幅に減った問屋が多かったが、事前に多めに仕入れたところは「一部在庫過剰」（ハウディ、ウルノ商事、中村角）となっている。

　連休が終わってからは、当初懸念通り「荷動きが鈍い」とする卸が多い。

　また連休中は学校給食の実施回数が例年より少なかったため「５月の学校給食向け売上げは減少必至」。
「４月の売上げが悪いというわけではないが、昨年に比べ前倒しの注文もあり５月と合わせて見ないとわからない」（名給）。

　しかも通常の５月に実施される「こどもの日」などの行事食は、今年この期間に休校だったため、この分の売上げは例年に比べると純減となる。「こどもの日の行事食を４月中にするわけにもいかず、連休明けでは遅すぎる」（名給）。

　メーカーは「アイテムごとの在庫準備量を見極めるのが難しかった」（ヤヨイサンフーズ）連休明けに一部アイテムが品薄になった。

　大阪の学校給食関係者にとってはさらに減収要因が重なる。６月下旬大阪で開催されるＧ２０大阪サミットの開催に合わせて厳重な警戒態勢が敷かれるため、大阪府立・私立校は２８〜２９日に完全休校となり、周辺の吹田市、高槻市でも学校給食はなしとなる。期間中の業務用車両の交通規制も厳重に行われるため、その影響は少なくなさそう。

１０連休は長過ぎ もうやめて！

　１０連休を経験した業界では「長過ぎる」、「連続大型休暇は不要」、「会社の負担が多い」など長い休暇に困惑した感想が多く聞かれる。

　ハウディは連休明けにチルド商品の賞味期限対応に追われた。国民総連休のムードが醸成されたことにも疑問を投げかけ「全国一斉の長期休みは不要」。ウルノ商事も「本当に１０連休が必要だったのか」と表現。中村角は「長期連休は勘弁してほしい」と訴える。

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