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この人に聞きたい:第988回
(週刊冷食タイムス:25/07/01号)

「顧客目線で改善進める」

日東ベスト 代表取締役社長 執行役員  嵯峨 秀夫氏

 

日東ベスト嵯峨社長が就任の抱負

 日東ベストの嵯峨秀夫代表取締役社長執行役員(25日付で就任)は「顧客寄りの目線で改善すれば冷食はまだ伸びる。少しずつ変えていく」など、26日の会見で次のように抱負を述べた。
 「入社して42年。2001年から爽健亭に出向して日配品事業を専門に担当してきた。日配の仕事の方が(それ以外の期間より)長くなった。日配24年の歴史の中で、最近まで3年間はベトナムのJBF(ジャパンベストフーズ)でコンビニ向けの日配品事業に携わってきた。業務用冷凍食品の製造・販売に携わった経験はほとんどない。一方で日配品、つまりコンビニの弁当はけっこう冷凍食品を使用する。ユーザーの立場で当社以外の業務用冷食を使ったこともある。“この点は使いにくい”などという事も考えながら仕事をしてきた。今のところ冷食の製造・販売側とは異なる、ユーザー寄り・消費者寄りの目線で見ることができていると思っている。そうした視点から当社の商品やサービスの質を改善していけば冷食はまだ伸びる余地があると考えており、これから会社を少しずつ変えていきたい」。 
 ユーザー目線の具体例としては「使う側は製造側が想像もしていなかった部分を気にしている。製品の袋が大きすぎるとか、開けにくいとか、入り数が多すぎるとかだ。コンビニの商品は発売時に良く売れるが、だんだん減っていく。そうした時にあまり量が多いと使いづらい。そのような顧客の悩みを少しずつクリアしていけば支持をもっと得られると考えている」と説明した。
 日東ベストの強みについては「充分な設備を持った生産能力と、工場と直結した地域に存在する山形の開発部門。現状の課題としてはその強みが100%顧客に伝わっているのか、という点。まだやり切れてない部分が残っていると考えているので、社内の壁を取り払って風の流れを良くし、より良い商品が顧客にスムーズに届くようにするのが課題でもあり私の仕事」と考えを語った。
 嵯峨社長は、「爽健亭やJBFをどうやって黒字化したか」という記者からの質問にも「別に難しいことはしていない」など次のように答えた。
 「コンビニのベンダー業で一番儲かるのは労務費がかからない単品のおにぎり。弁当は盛り付け作業が多く意外と儲からない。メーカーはおにぎりだけを作りたがるが、それでは顧客から採用されにくい。従ってJBFの後継社長にも言い続けてきたのが“ちょっと面倒な仕事をとって来い”ということ。面倒な仕事は競合がしたがらないので、うまく取り込めればロングセラーの仕事になる。そうした仕事を集めていった結果、顧客の評価も得られ、結果的に黒字になった。特に大胆な合理化などは何もしていない。顧客のニーズに普通に応えていけば自然に黒字化すると思っている」。

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