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この人に聞きたい:第997回
(週刊冷食タイムス:25/09/09号)

30年度に3000万食、売上高120億円

ケンミン食品(株) 代表取締役社長  高村 祐輝氏

(たかむら・ゆうき)2008年入社。15年取締役、17年常務、19年から現職。1982(昭和57)年兵庫県生まれ、今年43歳。関西学院大経済学部卒。大阪・関西万博の店舗ではグルテンフリーラーメンを提供している。今年創業75周年。

新ラインで冷凍ビーフン・はるさめ増産

 ケンミン食品は兵庫県丹波篠山市の篠山工場に冷凍ビーフン・はるさめを生産するラインを新設し、本格出荷を9月開始した。2030年度の計画に掲げている3000万食生産、全社売上高120億円を達成するための足掛かりとなる。

 ――篠山工場の新ラインが完成、9月から本格出荷を開始している。 
 高村 2008年に入社した当時、篠山工場で1カ月半ほど製造研修を受けました。今も稼働している既存ラインは古いながらも大切に使ってきました。いつか立派な工場を作り、働く社員の皆さんが自信と誇りを持てる職場にしたいと思っていました。自分が想定していた以上に立派な工場ができたと自負しています。機械メーカー6〜7社と共同で、我々が考える技術をいろいろな所に落とし込み、ほぼ全自動化しました。

 ――具体的には?
 高村 自走式の連続炒め機は、既存のメーカーが炒飯や焼きそばなどの製造に使っています。しかし、ビーフンを作るとなると、機械メーカーとしては初めて。うまく攪拌する羽根、油・調味料の入れ方、野菜を投入するタイミング、すべて今までにない仕様になっています。
 また、自動計量機はすでにありますが、ビーフンやはるさめのような粘着性のある食材をうまく計量する技術には我々なりの工夫があります。こうした原料の受け入れから包装までの一連の工程を独自技術で繋げた工場は世界で唯一ではないかと思っています。投資総額は約22億円。建屋はもともと乾燥ビーフンの製麺工場。タイに移管した後は倉庫として使っていたスペースを改築しました。

 ――昨年度の冷凍事業と今後の計画は?
 高村 昨年度の冷凍事業は売上高40億円。そのうち、市販用が10億円。今伸びているのは、ホテル・レストラン向けの業務用。インバウンドの増加や現場の人手不足で、当社商品のような完結型で、現場での調理負担が少なく、ビーフンという新しいメニューである点が支持されています。業務用は昨年度の1億円超を今年度3億円程度に引き上げ、30年度までにはラインナップやチャネルを広げて10億円規模にしたいと考えています。
 市販用は量販店向けがビーフン1品、はるさめ1品。今年の春に3品目となるビーフンの新商品を投入してさらなる拡大を図っています。関東だけで冷凍自動販売機が10台稼働しており、新しいチャネルとして力を入れています。

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