この人に聞きたい:第993回
(週刊冷食タイムス:25/08/05号)
トモシアへの事業統合加速
旭食品(株) 代表取締役副社長 竹内 紘之氏
(たけうち・ひろゆき)2001年加ト吉入社。06年4月旭食品入社。14年取締役商品統括本部副本部長兼商品部部長。16年常務に昇格。19年4月から現職。西日本エリア・商品統括本部、広域営業本部を管掌する。大阪産業大学経営学部卒。1977年5月生まれ、48歳。
出向でノウハウを共有
全国旭友会を発展的に解散し、昨年まで開催してきた全国旭友会総会を今年からトモシアホールディングス共栄会の総会に組み入れるなど、トモシアとしての取り組みが目立つ旭食品。今期の業績も聞いた。
――カナカン、丸大堀口と共にトモシアHDを設立して12年。旭食品の東京事務所は今年からトモシアと同じフロアに統合した。今夏の展示会フーデムでは初めてトモシアとしての営業提案を行った。仕入れの一本化ももうすぐ始まる。昨年あたりからどんどん事業統合が進んでいると感じる。
竹内 そのほかにもトモシアHDとして拠点別に営業利益と管理部門のコストを出せるようになりました。これを基に今期は利益改善を進めます。
――3社それぞれで得意不得意があると思うが、その穴を「エリア×カテゴリー」戦略で埋めていくのが中期戦略の1つだ。
竹内 冷凍食品が手薄な東北と北海道の冷食営業については、メーカーとの仕入れ交渉も含めて既にトモシアHDとして行っています。旭食品の社員を他の事業会社に出向の形で派遣しているケースもあります。
――ノウハウの共有ですね。多くの社員を派遣している?
竹内 いいえ、東北・北海道は冷食1名とドライ1名だけです。派遣先で営業しながら現場で人材を育てていきます。
――3社が独立しながら協力し、シナジー効果を生む形がはっきりしてきた。
竹内 各事業会社のカラーは保ちながら、同じ方向に向かいます。今は営業会議を3社で開くこともあります。全国フルライン化はもちろん、メーカー交渉も3社個別ではなくトモシアHDとして行うことになります。
――旭食品の第1四半期は?
竹内 売上げは前年比5.8%増で予算を2.5%上回っています。総利益も5.0%前年を上回っていますが、販管費が増えて経常利益は今のところ前年を下回っています。6月は順調だったので利益の下げ止まりはあったと思っています。市販用冷凍食品売上げは4.6%増、業務用冷凍食品は27.9%増でした。業務用はスーパーの惣菜と凍菜が好調です。
――今期の営業方針では利益改善を第1としている。
竹内 フルライン化として菓子、酒、低温が抜けている地域を取りに行きます。調達物流と共同物流も取っていきます。物流収入もトモシアHD全体での見える化を進めていますが、詳しく紹介できるのは次の展示会のタイミングになるでしょうね。