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この人に聞きたい:第965回
(週刊冷食タイムス:25/01/14号)

メディカルや原料向けが好調

(株)勝美ジャパン 取締役営業部長  荒川 悟氏

(あらかわ・さとし)大阪経済大学を卒業後、大塚食品工業(株)入社、32年間勤務。2016年に勝美ジャパン転職後、21年から現職。1958年8月8日生まれ、66歳。福井県出身。

冷凍弁当は潜在的な需要が高い

 昨年7月に新規上場した勝美ジャパン。初年度は売上高22.9%増21億円の2ケタ増収、各利益段階も増益を確保する好業績を達成する見込みだ。

 ――前11月期の動向は?
 荒川 メディカル向けのカット野菜や原料向けの商品が好調に推移し、売上げ目標を達成できる見込みです。当初は販売の予定がなかった冷凍弁当「勝美ご膳」も売上げを押し上げました。
 為替の影響もありますが、それ以上に国内の物流費の高騰が大きく、前期は2回の値上げを実施しましたが、数量ベースでも前年を上回る見込みです。独自の「スチベジ」製法による野菜のおいしさややわらかさを評価する方が多く、多少の値上げよりも、残食が減るといったメリットのが上回ると感じていただけているようです。このような支持を集めて1つひとつの商品の売上げの規模感が大きくなってきたことも利益の拡大に繋がりました。
 メディカル向けは継続して伸長しており、20%増となりました。
 原料向けの取り引きは約3倍に拡大し、中でもソースメーカー向けにアイテムを増やしたことや冷凍宅配弁当で採用が進んだことが主な好調要因です。

 ――「勝美ご膳」の状況は?
 荒川 サービス付き高齢者向け住宅を中心に昼・夕食用として毎月3万5千食前後を出荷しています。このような施設は全国的にはまだ多くはないですが、潜在的な需要が非常に高いです。
 現在は手作り志向が強く、土日のスポットとして考えているユーザーが多いですが、施設での人員確保はますます難しくなっていくと感じています。当社が先行して宣伝していけば、どこかのタイミングで利用が増えていくと期待しています。
 昨年の10〜11月からは朝食用の提案も開始しましたが、昼・夕食用と比べると非常に興味を持ってもらっています。
 昼・夕食用は喫食者の飽きを防ぐよう35アイテムに拡大します。朝食用は15アイテムですが、こちらも増やしていくつもりです。

 ――2023年には市販用にも商品を拡げた。
 荒川 業務用同様に蒸し野菜をうたって提案しましたが、パッケージだけでは訴求に至らず、振るいませんでした。しかしイオンだけでなく、徐々に地方スーパーへも採用の広がりは見せています。
 前期は販促活動が後手に回ってしまったことから、今期はお客様の声を聞きながら、QRコードを活用した調理例の提案なども検討し、テコ入れをしていく方針です。

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