この人に聞きたい:第961回
(週刊冷食タイムス:24/12/10号)
業務用惣菜の好調続く
旭食品(株) 代表取締役副社長 竹内 紘之氏
(たけうち・ひろゆき)2001年加ト吉入社。06年4月旭食品入社。14年取締役商品統括本部副本部長兼商品部部長。16年常務に昇格。19年4月から現職。西日本エリア・商品統括本部、広域営業本部を管掌する。大阪産業大学経営学部卒。1977年5月生まれ、47歳。
オリジナル水産商品が貢献
100周年に向けた前中期経営計画は目標以上の成績で終えた。今期から新中期経営計画「ACE100」をスタートし、さらなる高みをめざしている。
――新中計で今期売上高7.0%増6千億円、経常利益1.9%増76億円を計画している。
竹内 4〜10月は売上高5%増で予算比101%、売上総利益は4.1%増で予算比100.5%。経常利益は予算を2億4千万円上回りました。広域チェーンの対応がうまくいきました。収益面はまずまず。10月からの電気料金の実質値上がりで通期経常利益目標は若干厳しいかもしれませんが74億円には届くと見ています。
――冷食も好調そうだ。
竹内 市販用は6.4%増、業務用は12.4%増で推移しました。市販用は米の値上がりで需要が伸びた冷凍米飯類をはじめ、麺類、餃子、ワンプレート、凍菜が伸びています。
――業務用冷食は各種統計から頭打ちが見える中で2ケタ増だ。
竹内 水産品を含め惣菜向けオリジナル冷食の健闘もあるでしょう。夏の展示会で初提案した大倉の中国産冷凍うなぎ「神龍」は安価で品質が良いと好評です。
――寿司種の大倉をはじめ、かいせい物産、香西物産ら傘下に入れた業務用水産卸の機能が成果を発揮している。狙い通りだ。
竹内 ベトナムで水産加工を行っている子会社SAKURA FOODは寿司種だけでなく、凍菜のリパック機能を持たせており、今期はインドの凍菜の選別・パッキングも計画しています。昨年子会社化した韓国築地のトッピングいなり寿司の提案もこれから成果に結びつくと思います。
――売上げ増は値上げの影響も大きいかと思う。単価の変化は?
竹内 仕切り価格ベースですが、商品単価は前年の141円14銭が143円63銭に上がり、中でも市販冷食は前年度の194円01銭が201円13銭と7円以上も上がっています。今後、より二極化が進むでしょう。一方ではふるさと納税品のような商品が求められ、一方では低価格品と。
――地域との取り組みは?
竹内 凍菜関係は想定以上に難しいですね。農業関係では来年春までに農業法人を立ち上げます。
――来年はトモシアHDの共栄会と旭食品の全国旭友会を融合するなど、一体化管理を推進する。
竹内 トモシア共栄会を存続させる形で6月開催します。会員(メーカー)が一部異なる部分は修正しました。旭食品の東京本部とトモシアの事務所も同じフロアになるように移転します。