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業界交差点

この人に聞きたい:第1010回
(週刊冷食タイムス:25/12/09号)

青果物と凍菜を一緒に提案

デリカフーズ(株) 取締役食品事業部長  江原 聖二氏

(えはら・せいじ)ハムソーメーカーを経て2006年東京デリカフーズ(株)(現デリカフーズ(株)東京事務所)入社。12年営業部長などを経て昨年4月から現職。広域営業部長を兼務。1976年5月生まれ、49歳。長野県佐久市出身。

自社のインフラで店舗に配送

 デリカフーズは昨年4月、冷凍野菜市場に参入した。青果物を通じた大手外食チェーン約3万店の販売網が強み。自社のインフラで青果物と凍菜を一緒に配送する計画を進めている。

 ――なぜ冷凍野菜市場に?
 江原 当社はカット野菜、ホール野菜がメインですが、2034年の長期ビジョンに掲げた「野菜の総合加工メーカー」としてのポジション確立に向けて加工野菜、冷凍野菜、調味料に事業を広げて成長するためです。青果物は豊作と不作の波が大きく、生産者の収入確保など農業への貢献がベースにあります。昨年4月、愛知冷凍工場が本格的に稼働したのと同時に、食品事業部を新設しました。

 ――扱っている商品は?
 江原 すべて国産のブロッコリー、レモンスライス、ピーマンスライスなど。天ぷらやピューレなどは委託しています。

 ――競合が少ない品目が多い?
 江原 ピーマンスライスは厚さ4ミリの薄さで、輸入品と差別化しています。当社が今年7月に設立した農業法人では、加工処理しやすい種なしピーマンの栽培を始めました。また、生産者の元に足を運ぶと面白い発見があります。例えば、れんこんは収穫時に折れてしまうと、穴の開いた部分に泥水が入って変色してしまい、市場価値が下がります。これは一定の割合で発生するそうです。当社が買い取り、産地近くの工場に運び、れんこんフライに加工する計画を進めています。例年の猛暑でトマトは耐暑性があり、規格・流通しやすい品種が増えています。赤系と呼ばれる品種は皮が厚く、ドリップが少ないため加工向きで、生鮮での喫食よりもグリルするとおいしさが増すため、商品化を進めています。

 ――大手外食チェーンの販売網は強みになる。
 江原 ピーマンスライスはもともと生鮮ピーマンを扱っていた外食チェーンのお取引先様のリクエストで商品化しました。泥つきのごぼうは外食店が敬遠するため、洗浄・加工できる委託先を探して天ぷらや素揚げにしています。お取引先様からはさまざまな宿題をいただいており、市場に合った商品をPBとして開発。その後、NBにするという流れがお互いにとって良い方法だと考えています。
 また、約3万店舗のうち、約1万店舗は当社のインフラで各店舗に青果物を配送しています。冷凍野菜も同時に配送できれば、営業部員も提案がしやすくなるため、今年度中には配送車両に冷凍BOX等を設置し、まずは関東エリアでテストを実施する予定です。

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