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今週の一本

●「@FROZEN」で冷食売上げ2倍  木村健 (週刊冷食タイムス:24/10/15号)

冷凍惣菜テーマにパネルディスカッション

立ち見が出るほど
多くの聴講者が集まった
西野執行役員
長嶋社長
多田代表
三浦部長
 イオングループの冷食売場新業態「@FROZEN」が既存商品との差別化で販売を伸ばしている。先週開催したFOOD展のパネルディスカッションでイオンリテールの西野克執行役員MD改革本部長が現状と今後の展開について報告した。「冷凍惣菜の新時代〜現状分析と将来展望〜」をテーマにしたパネルディスカッションには西野氏をはじめ惣菜冷食メーカーノムラフーズの長嶋茂社長、フードコンサルタントを務めるユーリーズの多田鐸介代表取締役の3名がパネリストとして参加。(一社)日本冷凍食品協会の三浦佳子広報部長がコーディネーターを担当した。
 @FROZEN1号店はコロナ禍で冷食市場が大きく伸びたことを背景に22年8月千葉県新浦安駅前の商業施設MONAに開設した。売上げは順調で「圧倒的な売場面積とサプライチェーンを持つ当社の強みを生かした。うまくいかなかったらやめようと思っていたが、順調に売上げを伸ばし1年後には2号店を開設。今や11店舗になっている。既存SMの冷食とのカニバリを心配する声もあったが、ふたを開ければ売上げは2倍以上に。従来とは異なる客層が来店している」という。
 好調の要因としては、イオンでしか買えない商品や@FROZENでしか買えない商品が売上げの上位を占めており「独自商品の発掘・開発の継続が差別化のポイント」と分析している。
 今年第1四半期は@10ウォンパンチーズAビーフ&チーズパイBピカールクロワッサンCグローリーサンザシ飴D森山ナポリダブルチーズマルゲリータE梅の花なみはや弁当F友盛ジューシー小籠包Gお家でアサイーボールHセコマ北海道メロンソフトI崔さんプルコギキンパが売れ筋トップ10となっている。エスニックやピザ、有名店商品による差別化戦略が確実に成果をあげているといえる。
 このほか、実店舗でしか得られない“体験価値”の提供も重要で、試食による味や利便性の伝達、サイネージ・動画での商品価値・季節感などの演出、消費者と直接コミュニケーションできる試食会の開催で価値を訴求。宅配サービスや保冷サービスの提供といった利便性の向上も功を奏しているという。
 既存店の実績を分析すると、対前年度フローズン売上げは200%以上、1点単価は450〜500円と約2倍。客単価は約1200円で2・5倍。ネットスーパーでの売上げも200%になっていると報告。 
 イオンの@FROZENは今年度、イオンスタイル富士宮(静岡県富士宮市)、同四条畷(大阪府)にオープンした。今後は10月18日同高崎(群馬県)、25日同板橋(東京都板橋区)が決まっており、11月にはイオン堺北花田店(大阪府堺市)にもオープンする予定。
 長嶋社長は京野菜などを使ったこだわりの冷凍おばんざいと、同社が日本で初めて手掛けた冷凍お節の現状について報告した。
 多田代表は冷凍食品の定義、急速凍結と緩慢凍結の違い、コモディティな冷食との差別化、オーバースペックな凍結設備を初期から導入しないこと、油脂が多い食品は冷凍食品に適しているなど、レストランや惣菜店など個人レベルで冷食事業に参入する際の注意点やポイントを詳しく紹介した。
 長島氏が西野氏に「当社の商品はなぜ@FROZENに置かれないのか」と質問するひと幕もあり、商品特性上、和惣菜がリーチイン冷凍ケースで目立ちにくいといった課題も浮き彫りになった。

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