冷凍食品（冷食）・冷凍野菜・お弁当の売上・取扱ランキング・ニュース

●冷凍食品でフルコース 　佐藤巳喜夫 （週刊冷食タイムス：21/11/30号）

帝国ホテルキッチン　野菜カレーは１食２１６０円

　帝国ホテルキッチン（福本雅志社長）は「帝国ホテル」ブランドの冷食１２品、常温２品を同ホテル内に１２月１日リニューアルオープンする直営店「Ｃａｄｅａｕ　ＧＡＲＧＡＮＴＵＡ」で先行発売する。アペタイザーからメイン、デザートまでフルコースを冷凍食品で味わえる日本初の提案。

野菜とカレーソースを別添、ピロー包装で

　冷食はパテなどアペタイザー２品、オマール海老のビスクなどスープ２品、メインディッシュはポトフなど３品、カレー・ハッシュドビーフは「野菜カレー」など２品、パスタソース１品、デザートはアップルパイなど２品とフルコースで揃えたのがポイント。
　中でも「野菜カレー」は１０種類の野菜を大きなサイズで素材感たっぷりに入れ、帝国ホテル定番のカレーソースを別添してピロー包装した。同ホテルブランドの商品はこれまで化粧箱入りであり、中身が見えるピロー包装は初めて。カレーソースはボイル加熱、野菜セットはレンジか蒸し加熱し、自宅のライスと合わせて食べる。１食３２０ｇ、税込み２１６０円。
　常温２品は瓶入りドレッシング。
　新商品は帝国ホテルと帝国ＨＫの共同商品開発プロジェクトで商品化した。ホテルでは新装するショップ「ガルガンチュワ」に冷凍食品売場を初めて設置して同シリーズと既存の帝国ＨＫ製品を販売する力の入れようを示している。
　同ホテルではガルガンチュワの売場扱いのほかに「ＥＣサイト、カタログ販売などの取り組みも検討したい」と非常に積極姿勢。

前期１５％増収、調理冷食大幅増

　帝国ＨＫの福本社長は直近の業績推移や商品開発に取り組む考えなどを明らかにした。特に前期（２１年３月期）は巣ごもり需要などが顕著に表れ、売上げは１４.５％増（３億６１００万円増）の２８億５２００万円と好調だった。
　中でもハンバーグ、ドリア、グラタン、スープ、カレーなどの冷凍調理品が３５.８％増、チルドのマーガリン等が１２.２％増、低温品合わせて２１.０％増と大幅増収を支えた。
　缶詰８.２％増、カレー・シチュー・スープなどレトルト１３.３％増で常温品計１０.３％増。
　ケーキなど冷凍菓子も１４.９％増と好調。常温菓子だけが２.９％の減収。菓子計７.６％増。
　同社売上げは１７年５.４％増、１８年８.８％増、１９年６.７％増と着実に成長を続けてきたが、２０年度に２ケタ増の大きな躍進を遂げた。
　９月までの今上期も３.３％増１３億３４００万円と伸びを維持しており、中でも冷凍品８.２％増、冷凍菓子１８.２％増、レトルト９.４％増など堅調な動きが見られる。ただ「コロナに伴い協力工場との調整が難しくなったため、新商品開発がほぼストップしていた」（福本社長）。
　一方、帝国ホテルでは日本のホテルショップの先駆けとして１９７１年から営業してきた「ガルガンチュワ」がホテルプラザ１階に移転し、売場を広げて�@Ｅｐｉｃｅｒｉｅ　ＧＡＲＧＡＴＵＡ�AＰａｔｉｓｓｅｒｉｅ　ＧＡＲＧＡＮＴＵＡ�BＣａｄｅａｕ　ＧＡＲＧＡＮＴＵＡの３つのエリアで１２月１日リニューアルオープンする。
　このタイミングに合わせ、ホテルとの共同商品開発プロジェクトを立ち上げて商品開発を進めてきた。
　その結果、冷凍食品で１２品種のフルコースメニューが完成した。
　Ｃａｄｅａｕ　ＧＡＲＧＡＮＴＵＡではドレッシングを含む新製品１４品を先行発売。既存の冷凍食品１１品と缶詰レトルト２２品など、合わせて５０品目を扱う。
　福本社長は「コロナの影響で帝国ホテルは非常に厳しい経営を強いられているが、通常の宿泊利用、レストラン利用が戻るまで、当社商品が消費者との接点をつなぐ役割を果たしたい」と強調している。

ホテルマーガリン４５周年で販促

　帝国ホテルキッチンは発売４５周年を迎えた「帝国ホテル　ホテルマーガリン」の長年のご愛顧に感謝するため、４５周年記念キャンペーンを１２月上旬から１月３１日まで、消費者対象に実施する。
　キャンペーン仕様パッケージの内側に入っている応募はがきに必要事項を記入して応募すると、抽選で�@Ａ賞＝帝国ホテル缶詰スープセット（４種、計１２缶、５千円相当）を１５０名、�AＢ賞＝同小容量カレーセット（３種、計６個、３千円相当）を３００名、計４５０名にプレゼントする。
　ホテルマーガリンは１９７６年に発売。香料・酸化防止剤・着色料を使用せず、サフラワー（紅花）油を中心に植物油をバランスよくブレンドしている。発酵乳と豊かな風味と、まろやかな味わいが賞味できる。１８５ｇ、チルド。
　帝国ホテルキッチンは２４年１月に設立５０周年を迎える。

ログ一覧