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この人に聞きたい：第933回
（週刊冷食タイムス：24/05/21号）

「強い事業基盤築く」

（株）ニチレイロジグループ本社　代表取締役社長　　嶋本　和訓氏

（しまもと・かずのり）大阪府出身。1972年２月５日生まれ、52歳。東京理科大卒業後、ニチレイ入社。2020年４月ニチレイロジグループ本社営業戦略部長、21年４月執行役員経営企画部長兼営業戦略部長、23年６月から現職。

ロジネット協力会で表明

　ニチレイロジグループ本社の物流ネットワーク事業を担うロジスティクス・ネットワークの協力会「ロジネット協力会」は横浜市内で第38回定時総会を16日開いた。会員98社と賛助会員26社の関係者とニチレイロジグループ幹部らが参集。横浜市内での総会開催は23年ぶり。
　ニチレイロジグループ本社代表取締役社長に４月就任した嶋本和訓氏が来賓挨拶した。嶋本社長はロジネット協力会が昭和62年（1987年）に発足し、来年にはニチレイロジグループ本社が設立20年の節目を迎えることに触れ「これからも当社グループがステークホルダー、そして社会にとってかけがえのない『選ばれ続ける企業』であり続けるためにも引き続き、協力会各社に倍旧の引き立てを賜りたい」と求めた。
　トラックドライバーの労働法規制強化等を念頭に「４月から新たなルールの下での事業運営がスタートした。法改正への対応に加え、労働力不足の深刻化や気候変動への取り組みなど様々な変化への対応を強く求められる状況となっており、経営者にとっては難しい舵取りを迫られている。そのような中でも、強く生き抜く事業基盤を構築し、未来へとつないでいくことこそが『選ばれ続ける仕事』を掲げている当社グループが果たすべき責務であり、何よりも大切なことだと考えている。輸配送事業にいても持続可能な事業基盤の構築により一層注力する」と語り協力を求めた。
　同社グループ初となるテレビＣＭを１〜２月に全国投下したことに触れ、その狙いについて「低温物流業は国民生活を支える社会インフラとして不可欠な存在である反面、業界自体の認知度は非常に低い状況にあり、当社も例外ではない。そこでＣＭでは最先端技術を導入する先進性や、顧客の利用体験価値向上に努める企業姿勢といった独自性をアピールすることで当社の認知度向上のみならず、低温物流業界のイメージアップにもつなげることを目的とした。さらに当社で働く従業員、パートナー企業にも誇りに感じていただけるメッセージを込めた」と説明し、「今後も様々な媒体で効果的に発信を続け、あらたなビジネスチャンスや人材の確保などにつなげる」と方針を示した。

東京ドームでロジブランド訴求

　ロジスティクス・ネットワークの盛合洋行社長は事業報告で「ブランディング強化の一環として３月から東京ドームに当社グループ広告を２件掲出している。ひとつは一塁側に社名看板を２年間掲出。もうひとつは球場内での映像表示。５月22日まで、巨人戦で３回と７回のタイミングで表示される」と説明した。

　さらに盛合社長は「今年度着実に進める施策」として概要次のように語った。
　「３ＰＬ事業では冷食物流プラットフォーム構想を進め、大手冷食メーカーの受託範囲拡大に向け引き続き取り組む。関西圏、関東圏の共同化を拡充させ、それらをつなぐ幹線便の共同化構築にも取り組む。広域幹線事業では当社既存貨物と相乗効果のある貨物の獲得に向けた営業活動を推進する。取り扱い物量の拡大を図るとともに、次世代輸送システム『ＳＵＬＳ』（サルス）の取り組みで、トレーラーの新規投入をさらに推進し、トレーラーを有効活用するためのパレット荷役化の推進とインフラ整備等を併せて実施し、広域幹線基盤のさらなる強化を進める。本年度末にはサルスの投入コンテナ数は50本に到達予定。
　首都圏エリアのＰＣ事業では、関東ネットワーク構想の本格的な発揮に向け、保管運送の当社首都圏エリア全体最適をめざした運営をさらに進めるとともに、既存の保管顧客の運送需要の獲得と、戦略的な顧客誘致を進める。協力会社の拠点も含めた効率的な配送網を構築し、運送需要の獲得に取り組み、首都圏エリアの運送事業拡大をめざす。
　リテール事業では本年度稼働を計画している新規３センターの安定稼働を図るとともに、既存顧客増等にも柔軟に対応する。新規顧客のセンター受託に向けた営業展開はもちろんのこと、新たな収益の柱となりつつあるベンダー向けのセンター前事業をリブランディングし事業拡大を進め、物流網拡充と顧客に対するソリューション提案力を強化する」。

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