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●市場管理事務をIT化
辻雅司
(週刊水産タイムス:08/08/04号)
光ケーブルのLANシステム 宇都宮市中央卸売市場が導入
栃木県宇都宮市では、市内の公設市場である中央卸売市場の情報システム化を進めるため、平成19年度の農水省の「強い農業づくり交付金」の事業を活用して、場内に光ケーブルのLANシステムを整備した。これにより、@卸会社から市場開設者への販売原票提出システムA申請・許可システムB市況・統計情報提供システムC売上などの報告システム、及びD施設使用料や電気使用料システムを整えるなど、市場管理業務の合理化と情報提供の促進を図った。また、将来的に、市場内LANを活用して、卸と仲卸との売買精算や販売業務のIT活用を図ることが期待される。
市況と入荷情報を 液晶ディスプレイに表示 宇都宮市中央卸売市場は昭和50年に建てられ、33年が過ぎている。設備の補強、補修として農水省の市場整備事業計画で示されている情報システムの取り組みを検討していた。それに沿う形で平成19年度の「強い農業づくり交付金」の事業を活用して、場内に光ケーブルのLANシステムを整備したもの。 今回設置された光ケーブルは、市場の正門に近い管理事務所から、敷地の主な建物の中央部分を貫く形で直線的に約400m、支線系メタルケーブルを含む総延長で800mほど設置されている。目的は市場開設者の管理事務の合理化と市場全体の効率化で、これをITインフラ導入によって実現した。 まず、卸会社は、その日の販売原票を、これまでは紙の伝票で提出していたものを、卸会社の販売管理コンピュータから出力した販売原票データ形式で電子提出を行い、ペーパーレス化を図った。また、これまで市況情報は、月報・年報を公表してきたが、日報での市況と入荷情報が当日中にまとめられ、水産と青果の売り場に設置された大型液晶ディスプレイに表示・公開し、同市場のホームページ上でも公開されるようになった。
市場管理業務のIT化を図る さらに、市場施設使用料金のデータ入力や請求業務では、特に電気使用料の検針業務がある。これまで外部業者に委託していた入力業務を、今年度から省くことができた。新しいシステムでは、市場職員がハンディーターミナルで簡単に入力、これによって料金の徴収のための集計や請求通知が正確に行えるようになった。これにより、手書きによるミスなどか無くなった。その他、承認印などが必要な公文書となる申請・許可の紙の書類は、共通帳票キャビネットからプリントアウトして取り出せるようにした。 宇都宮市の中央卸売市場管理事務所では「今回のLANシステムの整備の目的は、市場開設者の管理事務の合理化と市場全体の効率化であるが、市場のITインフラの整備としての意義と価値は大きいと考えている。将来的には、市場内LANを活用して、卸と仲卸との売買精算や販売業務のIT活用、場内セキュリティ、ビル設備監視などを図り、市場機能や卸売業務の活性化、近代化を積極的に進める契機となることを大いに期待している」とした。
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