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今週の一本

●大手水産4社の第1四半期動向   (週刊水産タイムス:11/08/08号)

震災特需で増益も

 大手水産4社の今3月期第1四半期の業績が出揃った。東日本大震災の影響が懸念されたが、各社とも売上げが堅調だったのに加え、震災特需もあり、マルハニチロHDは61億円の営業利益を計上。日本水産、極洋も前年比で大幅な増益率となった。ニチレイは安定した利益を誇るものの、前年実績には届かなかった。 
 マルハニチロホールディングスは水産セグメントの売上高が1276億円で1・2%減少したものの、セグメント利益は33億7900万円で61%増。
 漁業・養殖事業はカツオの漁労事業が低調だったが、マグロ養殖は魚価上昇が追い風となった。
 北米事業はカニが高値販売で好調だが、スリミの単価が下落。スケコの搬入遅れや買い付け数量の減少、販売時期の後倒しなどが減益要因となった。水産商事はサケ、カニ、ウナギなどの堅調な販売で増収増益。
 荷受事業は取扱い数量の減少に歯止めがかからず、経費削減で減収増益。戦略販売は量販店・生協向け鮭鱒や凍魚の切り身の販売が好調に推移。外食・中食業態向けの新規取引先の開拓も進んで増収増益となった。
 一方、食品セグメントは売上高702億円で前年同期比2・2%増、セグメント利益は2・7%減の33億円だった。
 日本水産も増収かつ大幅な増益。水産事業は141億円の増収。前年の赤字から黒字転換し、4億5300万円の営業利益を計上した。漁労事業、養殖事業、加工・商事事業とも前年比で増収増益となった。
 加工・商事事業は東日本大震災後に一時的な輸入冷凍魚の需要増があり、サケ・マス、白身魚などが増収。北米ではスリミ、フィレーの生産数量が増加した。
 食品事業も増収となった営業利益はわずかに減少した。加工事業はデルマールの加入や、震災による買いだめで家庭用・業務用冷凍食品が増収。
 そのほか、ファイン事業、物流事業とも増収増益。
 極洋も大幅な増益を果たした。水産商事セグメントは震災や放射能汚染の影響で冷凍魚への需要が高まり、国内市況が堅調に推移する中、カレイなどの北洋魚やサケ、エビなどの加工原料の安定的な供給と付加価値製品の拡販で成果があった。グループ入りした海洋フーズ、エス・ティー・アイも収益に貢献。
 冷凍食品セグメントも好調。常温食品セグメントは一部の協力工場が震災で被災し、畜肉缶詰やツナ缶、海産珍味でカバーを試みたが、前年実績には及ばなかった。鰹・鮪事業セグメントは、かつお・まぐろ加工及び販売が極洋フレッシュ設立で売上げが増加した。
 ニチレイは、調理冷凍食品の販売が好調だった加工食品事業や新設物流センターの稼働や海外事業が貢献した低温物流事業が増収となった。一方、新設物流センターの減価償却費負担や震災に伴う一時的なコスト増が影響し、柱となる低温物流事業が減益。
 水産事業は産地価格の高騰が響き減収減益を余儀なくされた。エビは4・9%の減収。一部商材で調達コストを販売価格に転嫁できずに減益となった。

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