●味の素冷凍食品、深センから香港に生産移管生産性向上、アジア市場深耕 味の素冷凍食品はグループ会社の深セン・アモイ・フーズで冷凍食品を生産しているが、土地・建物のリース契約が満期を迎えるため同じくグループ会社の販売会社アモイ・フードが新設した香港工場に生産を移管、今月から稼働開始する。生産ラインの機械化により生産性の向上を図った。
アモイ・フード社で生産した製品は、主要市場の香港以外に北米、豪州にも輸出する。 香港の新工場は土地4600u、建屋1万1500u。約4500万香港ドル(約5億7千万円)を投じた。従業員数は約300名。「えび焼売」、「えび餃子」、「ちまき」など点心類を生産する。 味の素グループは2011〜13年度の冷食中期計画で、国内事業の安定成長と海外事業の大幅な拡大を推進している。北米でのコンシューマー事業強化、欧州での生産開始に続き、香港を中心としたアジア市場を強化することで早期に海外売上比率20%をめざす。 アモイ・フードは味の素グループが06年取得した100%出資企業。 深セン・アモイ・フーズは来年6月に会社清算する予定。 為替リスクの回避もねらい 味の素冷凍食品は深セン・アモイ・フーズの冷食生産をアモイ・フードの香港工場に移管することで、為替変動リスクも軽減する。 中国人民元は7月の円換算レートが昨年同期と比べ30.42%の円安だが、同じ比較で香港ドルは26.32%と変動率が4ポイント低い。また12年度の人民元の平均円レートと今年1〜7月平均を比較すると22.07%の円安に対し、香港ドルは20.50%で、香港ドルの方が変動率が1.5ポイント低い。同様に、タイバーツは同時期比で27.62%の円安となっており、為替変動率が大きい。 同社は海外販売を為替リスクから回避することもねらいの1つとして強化しており、欧米事業は増収を続け、利益貢献度も高い。為替変動リスクに正面から立ち向かい、実績としている。 |
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