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今週の一本

●中国の日系冷食メーカーが現地仕様の商品開発  高橋尚徳 (週刊冷食タイムス:13/11/26号)

不要な機能省き、価格競争力強化

中国でしか販売していない
ハーフ&ハーフピザを生産する
煙台阿克力食品
 中国に進出している日系冷凍食品メーカーの中国内販が新たな局面を迎えている。これまでのように日本向け商品をそのまま販売するだけでなく、不必要な品質や機能を省き、価格競争力をつけた中国仕様のデザートなどを開発する動きが顕著になってきた。市販用で先行するアクリフーズの合弁会社、煙台阿克力食品(山東省莱陽市)は中国人のし好に合わせたピザや、購買のきっかけにつなげたいトライアル向けのミニピザ(直径10cm)を開発して浸透を図っている。

 マルハニチロ食品と龍大食品集団の合弁会社、煙台日魯大食品(山東省莱陽市)はほぼ全量日本向けの製品を生産していたが「まだ月産数百kg程度」(大島隆司副総経理)ながら、業務用の冷凍ケーキ(チョコ、抹茶、チーズ)を喫茶店などに供給している。すでにケーキに続く商品の検討にも入っているという。

 味の素冷凍食品の現地法人、連雲港味の素冷凍食品(江蘇省連雲港市)は数年前から内販に取り組んでおり、ラインナップは幅広いものの、いずれも日本向け商品だった。今年は中国人開発スタッフが加わり、現地で販売するための業務用デザートを開発した。チーズケーキなど日本でもなじみのある定番品なので、対日輸出も可能。

 デザートは和洋中とジャンルや業態にとらわれることなく、幅広く提案できる強みがある。

 日本水産の合弁企業、山東山孚日水(山東省青島市)は自社用に生産している生パン粉を、現地の食品メーカーに今年から販売している。日本水産の金田進取締役専務執行役員(食品事業執行)は「海外工場は現地マーケットを販売先とした取り組みを強化する方向にシフトする」と表明している。山東山孚日水はパン粉を足掛かりに販売品目を広げたい考え。

 テーブルマークの青島亜是加食品(山東省青島即墨市)をはじめとする現地法人各社は、日系冷食メーカーの中では中国での販売規模が最も大きいと推測できる。メインは業務用の冷凍うどん。中国だけでなく、アジア、欧米など世界各国に販売しているのが特徴。市販用でもジャージャー麺など具付き冷凍麺3品を今年から追加発売している。

 長年、中国や台湾で営業活動を展開してきた関連機器メーカーの担当者は「彼ら(中国人経営者)は『これを導入したら私は儲かるのか?』とストレートに聞いてくる。私が心掛けているのは、多少規模が小さくても成功事例を作り、顧客に示すこと。そうすると噂は口コミで広がる。中国の口コミはテレビCMよりも効果が大きいかもしれない」という。また「中国全土をターゲットにするのは、東南アジア諸国をまとめてターゲットにするのと同じ。地元で着実に取り組む方が賢明では」とアドバイスする。

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