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今週の一本

●魚食文化を世界へ  井出万寿男 (週刊水産タイムス:15/02/02号)

全漁連、シンガポールにアンテナショップ

初の海外展開を祝って威勢良く鏡開き
 JF全漁連(岸宏会長)のシンガポール・アンテナショップ「JF神田わだつみ」がオープンし、記念のセレモニーが1月23日、アマラ・シンガポールホテルで開かれた。全漁連から小川栄代表理事副会長、来賓の水産庁の水田正和漁政部長、農林中央金庫の奥和登専務、シンガポール中華総商会のトーマス・チュア会長、日本大使館の伊藤実佐子所長らを含め140人が出席し、全漁連の海外進出を祝った。

神田わだつみの店舗
 全漁連では、飲食店の運営を通じて日本の水産物の情報発信や消費情報も収集。物流・保管などの課題も把握した上で輸出に関するノウハウを蓄積し、養殖魚や日本近海の魚を中心とした鮮魚や加工品の輸出拡大につなげる。

 小川副会長は出席者に感謝の意を示した後、「JFグループにとって初の海外アンテナショップをシンガポールに開店できた。グループの最重要テーマの一つは水産物消費の拡大。和食がユネスコ無形文化遺産に登録されたが、海外でも日本の本物の水産物を味わっていただき、日本の魚食文化の発信につなげていきたい」と挨拶した。

 チュア会長は「魚は生で食べると体に良いと知った。これからは週に3回は食べたい」と述べ、伊藤所長も「まさに時宜を得た出店。これを機に、日本の水産物の真の価値を確かめてほしい」と歓迎した。

 水田部長は「国を挙げて水産物輸出に取り組む中、JF全漁連が海外展開の先駆けとなったことを大変心強く思っている」、奥専務も「シンガポールはアジアの貿易・金融のハブ拠点。ここに出店することは、JFグループ全体の海外販売力の向上、ひいては水産日本の復活に向けた大きな一歩」と期待を寄せた。

 セレモニーでは、JF神田わだつみの原慎二店長が日本から空輸された「JF三重漁連の伊勢マグロ」「JF愛媛漁連のブリ、タイ」「JFおおいたのヒラメ、シマアジ」などを素材に腕をふるった。

 特に、寿司の実演に注目が集まり、あっという間に終了。セレモニー参加者からは「本当に美味しい」「ほかの魚も食べてみたい」との声が上がった。

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