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今週の一本

●工場・ラインの新増設相次ぐ  佐藤巳喜夫 (週刊冷食タイムス:18/01/09号)

需要拡大、供給がタイト

ノンフロン対策機に生産再編も

 冷凍食品メーカーで工場、ラインの新増設計画が相次いでいる。需要は拡大しているが、供給が追い付かないため生産体制を整備するものだが、併せて、人手不足に伴う自動化、ノンフロン対応等の喫緊の課題対処も図るのがねらい。

省力化・生産性向上は各社共通課題

 工場・ラインの新増設を機に将来の生産体制を整備する考えも含まれている。一部は工場やラインの増設に着手しているが、本格化するのはこれから。

 テーブルマークは新潟の魚沼水の郷第2工場が今春稼働する。冷凍うどんを毎時1万2000食生産できるラインを3本敷設する。同社グループの冷凍麺生産能力として最大。

 魚沼水の郷第2工場を受け皿として、他の工場のラインの新設/移設を繰り返して既存工場の環境改善を進め、全体の量的生産体制を再編する。

 同社の国内工場は生産能力一杯で「供給量をこれ以上増やせない」(川股篤博社長)状態になっていた。

 魚沼水の郷第2工場だけで投資額は建物・設備に87億円。また全社的な生産再編のため21年3月までに160億円、ノンフロン化と建物整備等に17〜19年で190億円という大型投資を実施する。

 日本水産は需要が伸びている冷凍米飯の生産能力を高めるため、新ラインの増設を検討している。米飯主力「大きな大きな焼きおにぎり」は今期23%増、「焼きおにぎり10個」は7%増と大きく伸びている。現在は八王子(東京)と北九州ニッスイで生産しているが、グループを含めた既存工場に第3拠点としてラインを増設することになりそう。

 北九州市戸畑には新工場を計画している。既存の戸畑工場は稼働から60年近く経っているうえに、生産性が改善できない工場レイアウト。同工場隣接地には北九州ニッスイがあり、焼きおにぎり、「おさかなソー」などを生産している。このため戸畑地区の生産再編を含む投資となりそう。

 日水の台湾のグループ会社「大明食品」は高雄市に冷凍枝豆の新工場を竣工、3月稼働させる。生産性向上と品質改善をコンセプトとし、省人化、自動化を中心に設計した。

 キンレイは冷凍麺の供給力不安を解消するため大阪工場を岸和田市に昨年建設した。生産能力が1.5倍になったのを背景に、抑えていた売上げは3月期で10億円増の105億円にボリュームアップを図る。

 味のちぬやも供給タイトのため新工場を計画する。本社工場(ちぬや冷食、香川)、愛媛ちぬやに続く第3の拠点を早急に整備する。

 ヤヨイサンフーズは4工場の能力が上限に達したため今後の生産体制について親会社マルハニチロと検討を開始した。ロボット導入やAI化も研究している。

 味の素冷凍食品は四国工場の新棟が今春稼働予定。自動化を進める。海外でも新工場・ライン増設を進める。ケイエス冷食は本社泉佐野工場で中長期計画に基づき生産性向上のための投資を毎年実施している。

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