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この人に聞きたい:第290回
(週刊水産タイムス:11/05/16号)

プレッシャーをプラスに転換

マルハニチロ水産 常務取締役  中島 昌之氏

(なかじま・まさゆき)昭和31年5月14日生まれ。島根県出身。明治大学商学部卒業後、大洋漁業(現マルハニチロ水産)入社。エビ事業一筋に歩み、平成16年水産直販部長。今年4月から常務。

 入社以来、エビ事業にほとんど身を置いてきた。エビ業界でこの人を知らない人はいないといわれる。マルハニチロ水産は前3月期、全ての部門が計画をクリア。エビも「昨年はうまくいった年だった」という。

 ――仕事は「エビ一筋」といった感じだが。
 「入社以来、エビ事業にほとんど身を置いてきた。長いキャリアの中でも昨年はうまくいった年だった。昨年の扱いは4万2000t。単価下落で400億円を割ったが、利益は前年度を大幅に上回った。以前のロブスターのように大損した商材もなかった」
 
 ――東日本大震災や福島第一原発事故の影響は。
 「まだ分からない部分もあるが、よくなることはないだろう。ただ、4月の動向を見る限り、エビの荷動きはそれほど悪くはない。第1四半期(4〜6月)をどこまで耐えていけるかがポイント」

 ――新中期3カ年計画の骨子は。
 「マルハニチロの強みに磨きをかけること。特に海外からの調達力が強みなので、トレーサビリティが確立している商材を安定的に供給していく。同時に、最大のサプライヤーとして末端の需要動向も的確につかむ。ブランド力の強化も重要。他社との差別化が図れる商材に力を入れ、販売チャネルに合った商材、加工品の開発を進めていく」

 ――今後のマーケットをどう見る。
 「日本は寡占化がさらに進む。これに対応しながら、市場流通に対しては荷受と協力体制をとりながら積極的に売り込んでいく。一人ひとりがテーマを決め、しっかり目標を達成していくことが大切」

 ――座右の銘は。
 「出身大学である明大の野球部総監督だった嶋岡氏が残した“人間力”という言葉が好きだ。何をするにせよ、己に甘んじるな、プレッシャーをプラス要因に変えよ、という指導性に共感している」

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