この人に聞きたい:第536回
(週刊冷食タイムス:16/04/19号)
少子高齢、時勢を追い風に
東京中央食品(株) 代表取締役社長 狩野 昭氏
(かのう・あきら)日本IBMを定年退職後、平成16年入社。取締役社長室長から4月1日付で現職。昭和19年8月23日生まれ、71歳。早稲田大理工学部卒。週に1度はテニスで汗を流す。
新体制で組織力さらに高める
東京中央食品の業績がいい。前9月期は10億円以上の増収。今期も売上高60億円を視野に入れる。「先を見て打った施策がモノになってきた」と狩野弘道会長。1日付で新体制に移行、狩野昭新社長は「組織力を高める」。
――4月からの新体制、どう変わった?
狩野 創業者であり、すべてを把握している会長が全体を見て、私が10年携わってきたグループ会社のセントラルフーズ(世田谷本社)を見るため、社長を兼務。佐藤光一副社長が東京中央食品を主に担当します。
会長は会社のことをすべて分かっていますが、私には分かっていない部分もあるため、これまで以上に組織力を高める必要があります。20〜30年先も成長できる会社にするのが新体制の使命です。
――社員に何を伝えた?
狩野 会長の理想や思い、目標は踏襲しながら、自分の方向性も出していきます。まず、社員にとって働き甲斐のある会社にしたいですね。挨拶を含めて、コミュニケーションを良くしていこうと考えています。
――東京中央食品の強みを知りたい。
狩野 製造機能のセントラルフーズを持っているのが非常に大きいと思います。東京中央食品の栄養士がメニューを作成し、そこに食材を組み込んで売るわけですが、伊勢原市にある工場で試作することができます。
こうした製造機能を持っていることで受託サービスの採用が決まるケースもあります。メニューはマンネリ化しやすいので、四半期ごとに更新し、季節感も出しています。
――業績が非常に伸びているが。
狩野 有料老人ホームのほかに、今期は新規ルートの保育園給食が大幅に伸びています。施設当たりの園児はだいたい50人規模で、数量的にはそれほどではありませんが、保育園はグループでビジネスを展開していることが多く、東京・神奈川でかなりの数になります。待機児童がいるほど保育園は今足りない状況なので、当面は追い風が吹くでしょう。
――今期の目標は?
狩野 会長からは15%増とハッパをかけられていますので、今期は60億円前後をめざします。