この人に聞きたい:第631回
(週刊冷食タイムス:18/03/27号)
業務用販売50年の歴史を軸に
キユーピー(株) 執行役員フードサービス本部長 白井 利政氏
(しらい・としまさ)昭和58年三英食品販売入社。平成2年合社でQP大宮営業所。22年大阪支店FS営業部長。26年札幌支店長。28年広域営業本部長。2月FS本部長。大東文化大経営卒、昭和35年1月豊橋市生まれ、58歳。
商品+サービス提案機能を強化する
2月27日付でFS(フードサービス)本部長。誕生から昨年50周年を迎えた三英食品販売の出身は西尾秀明元本部長以来。「50年の歴史と提案力を発揮しFS市場に貢献したい」と静かに語る。スキーは30歳で1級に。
――量販、外食、CVS大手対象の広域営業本部長からなじみのFS本部復帰。何から着手する?
白井 食を通して“笑顔”を広げたい。おいしいものを食べた時、人は幸せを感じ、笑顔になります。次に仕事を通して達成感や満足感が味わえる集団を築き上げたい。これは管理職になって以来思ってきた信条でもあります。3つ目はキユーピーグループの企業価値の向上をめざす。当社内でFSは中核事業の1つになってきました。この勢いで引き続き中食、外食市場を盛り上げたいと思います。
――事業方針は?
白井 前任の清水誠三本部長の時代に中計で「おいしさと市場づくりをサポートする」と掲げ、もっと野菜を、もっとタマゴを、という事業戦略も進めてきました。今年は中期3カ年の最終年度。この1年でFS本部としてその結び目を作り、次期中計につなげたい。
――特にこだわっている点は?
白井 安全安心は食品としての最大の基本。私はその次に“おいしさ”を重視しています。
――三英食品出身は久々だが。
白井 三英食品販売は昭和42年、業務用専門販社として発足しましたが、昨年が50周年。グループの中で業務用に特化して半世紀の大きな節目に本部長を引き継いだのは何か感じ入るものがあります。この歴史を振り返りながら、新たな50年に向かいます。
――50年の歴史に何を感じる?
白井 50年前は高度経済成長の時代であり、外食も一気に伸びた。その後、外食はピークを経てやや低迷が続いたが、再び盛り返しつつあり、中食という新たな市場も生まれました。一方で最近は人手不足も深刻化しています。50年で環境は大きく変わり、この先に向けた変化点にいると感じます。
――QPのFS本部は変化にどう向き合おうとしているのか。
白井 フードサービスはフード=商品とサービス=ソフト提案。当社は顧客、市場が求める商品を開発するとともに、メニューやアプリケーション、催事などの提案を進め、そこにスピード感をもって取り組めば成長できるかと。
――第1四半期の動きは?
白井 12〜2月の1Qは特に首都圏で雪の影響があり、業務用も厳しかったが、おかげさまでなんとか相応の業績を確保しました。今後も多方面の支援を願います。