この人に聞きたい:第687回
(週刊水産タイムス:19/05/20号)
新たな立場に「1から入力」
東京冷蔵倉庫協会 理事・事務局長 奥田 武史氏
(おくだ・たけし)大洋漁業(現マルハニチロ)でエビの輸入・販売業務に携わった後、東北水産営業部長、関東水産営業部長を歴任した。1958年6月生まれ。
都民の食生活を支える東京の冷蔵倉庫。この4月、マルハニチロ関東水産営業部長から、東京冷蔵倉庫協会・関東冷蔵倉庫協議会の事務局長になった。
宮城県石巻市出身。東北大学の法学部を出て、大洋漁業に入社。営業一筋で、主にエビの輸入・販売業務に携わった。
エビといっても扱ったのは主として天然物。世界の各地で自社グループがエビ事業を手掛けていたこともあり、「エビ」にまつわる思い出は尽きない。
その後、東北、関東で水産部門を統括する水産営業部長を歴任。東北時代に東日本大震災に直面した。
これまで東北水産営業部長、関東水産営業部長として販売業務の指揮をとる一方、卸売会社を主要会員とする「マルハニチロ魚栄会」の切り盛りもしたが、業界団体の事務局長は初めて。
かつて、大学のゼミで学んだ国際政治学が、エビの買い付けで参考になったことがあった。「人生、何がどう生かされるか、その時になってみないと分からない」とは思うものの、今回は全く経験したことのない立場。
「これまでは、新たなポジションに着くたびに、経験やスキルを”継ぎ足す”つもりでやってきたが、今回は冷蔵倉庫が専門。自分にとっては一からの“入力”が必要であり、しかも“入力”項目は多い」
今、冷蔵倉庫は、食の流通を担う社会インフラとして重要な役割を果たす一方、設備の老朽化や建設用地の確保、人手不足、冷媒フロンなど、深刻な課題にも直面している。
「様々な問題に対し、適切な情報提供を行い、交流の場、発言の場を設けて、業界の発展につながる環境づくりに努めたい」