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今週の一本

●いんげん事件  高橋尚徳 (週刊冷食タイムス:08/10/28号)

冷食売場に大きな変更なし
各社冷静に対応 

早期の真相解明が待たれるいんげん事件
 冷凍いんげんからジクロルボスが検出された事件で、スーパーの冷食売場は大手、中堅を問わず大きな変更はないようだ。事件性が高く、品質管理の問題ではないとの見方が強いため、各社は冷静に対応し、今後の真相解明を待っている状況。

 イトーヨーカ堂は同じ北海食品の工場で製造した製品は念のため売場から撤去したが、それ以外の中国産製品は従来通り販売を継続している。
 イオンも売場構成に変更はない。北海食品で製造している製品も扱っているが、いんげんに混入した事例が1件しか発生していないこともあり、同一工場で製造した他の製品の販売も継続している。
 ダイエーは北海食品の製品を元々扱っていなかったため、売場に変更はない。デイリー部の村上弘マーチャンダイザーは「当社の安全安心基準を満たしている限り、中国産だからノーとは考えていない。これだけの物をローコストで作る中国の工場とも友好的に付き合う必要がある」とコメントしている。
 ヤオコーは北海食品で製造していたPB商品が3品あったため、念のため売場から撤去し、検査に出している。その後は検査結果に基づいて対応する考えで、現在は店舗の倉庫に保管している。その他の中国産冷凍食品については従来通り販売している。「消費者からの安全面に関する問合せも10月の第4週にはなくなった」(IR広報室)という。
 アークス(北海道)の横山清社長はいんげん事件を受けて中国産食品について次のように語っている。
 「ニチレイフーズほどの管理能力の高い会社でさえこのような事件に巻き込まれる。100%完璧にするのは難しいが、一種の事件と、品質管理の問題は違う。中国の食品工場を何度も見に行ったが、日本をはるかにしのぐ施設があり、従業員の熟練度も高い。当社は可能な限りの調査、研究を重ね、これはと思う商品を国内外問わず販売している。仮に事故が発生した場合でも、真摯に対応してくれる店だという認識を持ってもらえる努力が必要。小売業1社だけで難しければ、業界を挙げて消費者の付託に応えればいい。冷食の良さ、利便性の高さを消費者は手放せないだろう。当社は地場産の商品も売るし、万全の体制で作っている中国産の商品も売る。今は世界で分業する時代。チャイナフリーでは日本の食卓は成り立たない」。

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