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今週の一本

●米国スケソウ漁、20日スタート  松田陽平 (週刊水産タイムス:09/01/19号)

2割減枠でフィレ需要弱まらず

 今年の米国アラスカ・ベーリング海のスケソウダラ漁獲シーズンが20日からスタートする。08年の3割削減に引き続き、今年の漁獲枠は2割減の81.5万tに縮小された。円高の影響で日本はスリミの買い付けで優位なポジションにいるが、東南アジアなど南方スリミを中心に国内在庫レベルは高く、需要が高いとは言いにくい環境にある。「様子見」しながらの今後のスリミの価格交渉に注目が集まる。

 昨年のスケソウスリミの価格はA・Bシーズンともに急騰した。「昨年は供給が減り、スリミ、フィレともに価格は上昇。今年も供給不足の状況は変わらず高値を維持するだろう」(加工船会社)との見方が強い。
 スケソウスリミの生産動向に大きな影響を及ぼす欧米を中心としたフィレマーケットの状況は、経済環境が悪い中でも依然堅調。需要はあまり弱まっていないようだ。
 「マダラやハリバットなどの高級品に比べ、比較的手頃な価格で食べられるスケソウフィレに対する需要は不況下でも弱まっていない。例え消費が減ったとしても減少率はわずか。一方で、今シーズンの漁獲枠は07年に比べると半減している」(加工船会社)と減枠がフィレバイヤーからの引き合いを強める原因となっている。
 昨年はスリミの価格もフィレ製品並みに上昇し、予想以上にスリミの生産数量は維持された。今年はさらに漁獲枠が減ったことで、生産者の意識はシビアになっている。シーズン前に年間契約によって数量を確保するフィレバイヤーに対し、スリミの買い付けはスポット的。原料の安定確保という点では、スリミが不利な立場となっている。

漁獲枠の減少分超える生産減に
 「今年の漁獲枠が決まると同時に、欧米のフィレバイヤーはすぐに数量確保に動いた。生産者側としても安定した商売を望んでいる」(加工船会社)。
 今年のスリミの生産について「漁獲枠の減少よりも減少幅は大きくなるだろう」と予想する声も聞かれる。今後の漁模様により生産動向は左右されるが、スリミ・フィレともに望むだけの数量を確保することは非常に難しい状況にある。

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