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●Aシーズンスリ身価格が決着
辻雅司
(週刊水産タイムス:09/06/15号)
FA級で490円に 米国側が若干の譲歩
米国のAシーズンにおけるスリ身生産の価格が一部のグレードを残しほぼ決着した。 米国側生産者は今年のAシーズンの価格を昨年のAシーズンの価格であるFA級1kg500円を主張したが、さらに引き下げた価格を求めていた日本側ディーラー(インポーター)と折り合いがつかず、難航していた。FA級で490円、A級で430円前後、RA級で160〜180円と若干ながら米国側が譲歩し、まとまった。 しかし、KA級とKB級は韓国からの引き合いが強いとして、依然としてまとまっていない。KA級で300円、KA級で280円をめぐり、最終的な詰めが行われると見られている。
7月からBシーズン始まる 今年の米国のスケソウダラの漁獲枠が2割減となったことからAシーズンのスリ身生産量が減少した。つまり昨年の4万8000tから1万3000tほど少ない3万5000t(うち半分が日本向け)になった。 欧州のフィレー需要が依然として堅調に推移している。新型インフルエンザ流行から需要が白身魚へとシフトすることが予想されるなどを理由に米国生産者は今年Aシーズン米国産スリ身の価格について、引き続き強気の姿勢である。このため、価格交渉は5月の連休を過ぎても決着がつかず異例の事態となっていた。 米国スリ身協会は、Aシーズンの価格を昨年Aシーズン価格の水準である(昨年Bシーズンより、FA級1kgで120〜130円安い)500円としていたが、日本側インポーターはさらに20円以上値下げるように求めていた。 一方、日本の水産ねり製品各社では、依然として昨年高値で仕入れたスリ身を在庫として持っており、実勢のスリ身相場も値下がりしている。 7月になるとBシーズンが開始されることから、ここに来て米国生産者は若干ながら譲歩し、決着した。
KA級・KB級まとまらず しかし、KA級とKB級は韓国からの引き合いが強いとして、依然としてまとまっていない。米国生産者は、KA級で320円、KB級で300円を唱えているが、韓国側の買い付けも一段落してきたことから、今後はこれらについても米国生産者は若干ながら譲歩し、まとまると見られる。
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