●高値の後遺症でスリ身市場凍る米国Bシーズンは大減産
Bシーズン(下期)のスリ身事情をシアトル関係者に取材した。米国生産者は日本のスリ身市場がまったく動かず、特にFA級、A級の上級スリ身が消化されていないことから、フィレー生産にさらにシフト、スリ身生産は特定顧客の水産ねり製品メーカー向けに特注品を生産している母船やスリ身生産に注力している日本の大手水産会社の陸上スリ身工場で4割から6割となっているが、それ以外はフィレー生産によって中落ち部分の魚肉を原料に生産されるRA級など低級スリ身を1割ほど生産するとし、全体では大幅減産となっている。 近年、欧州における健康志向やBSE事件を契機に、白身魚であるスケソウダラ・フィレー需要が拡大。米国生産者はスリ身からフィレーへの生産にシフト、価格もユーロ通貨高や経済の過熱も加わり一本調子で値上がりした。スリ身価格もフィレーに引きずられ、米国の生産者主導で値上がり、昨年Bシーズンは日本のユーザーである水産ねり製品メーカーの懐事情を無視する形で、昨年Aシーズン(上期)より、上品質のFA級で160円アップのkg650円(SA級は680円)と、バブル期の1991年に記録したSA級(最上級品質)810円に次ぐ超高値となった。 |
||||