●オール水産で業界活性化を 大日本水産会が主催する「第11回ジャパン・インターナショナル・シーフードショー」が22日から東京ビッグサイトで開催される。そこで主催者である中須勇雄会長、流通業界を代表して中央魚類の伊藤裕康社長(全水卸会長)に業界活性化へのメッセージを発信してもらった。 魚は日本の食文化の誇り 大日本水産会 中須勇雄会長日本の水産業界の実力を発揮する場として、また業界内での情報交換はもちろん、外へ向かって“水産”を発信する絶好の機会として重要な役割を果たしていると自負している。 今回も「すしEXPO」、「国際水産養殖技術展」、「魚が住まう海の浄化技術展」、そして新たに「漁船漁業復活支援コーナー」を展開する。水産資源を持続的に利用し、魚ビジネスの可能性を広げることを共通のテーマとして、日本が世界に誇る伝統食であり、ファストフードである「すし」を通して、魚の魅力を存分に伝えていきたい。 シーフードショーには北から南から、さらに世界の海から選りすぐりの魚たちが続々と集まる。素材として鮮魚、冷凍魚だけでなく、完成度の高い水産加工品までの流れをタテ軸と見れば、前回のシーフードショーで中央魚類がデモンストレーションしたように、アジはアジでも価格的に手軽に味わえるものからキロ当たり数千円もする高級魚まである。 もちろん肉やコメにも商品、ブランドで差別化がされているが、タテ軸・ヨコ軸の多様性は魚にかなわない。これこそ日本人が古来から海を愛し、海の恵みである魚を通じて育ててきた食文化にほかならない。 私たちは、魚好きな国民性、マーケットを誇りに思っている。単にニーズに応えるというだけでなく、新たなマーケットを創出することで魚食を普及拡大し、日本の水産業界を活性化させていきたい。 「魚」が日本を元気にする、また「魚」はNEWビジネスの宝庫であると捉え、今後も水産業界を挙げてシーフードショーを支援し、大いに盛り上げていただきたい。 水産資源を上手に利用すべき 中央魚類 伊藤裕康社長昨年初めて、中央魚類として出展して非常に良かったと思っている。出展することで、シーフードショーの奥行きの深さを知ると同時に、色々な方々との出会いがあった。出展ブースに関しては、非常に沢山の方から大きな反響を頂いた。 また、副次的には、出展に向けて社員が一丸となって取り組むことで連帯感が生まれた。様々なアイデアが出され、ブースに並べる鮮魚を毎日入れ替えるなど、手間も労力もかかった。しかし、市場特有の“鮮”を訴えることで、来場した多くの方にインパクトを与え、注目して頂いた。市場荷受の我々にしかできないことだったかと思う。 3年前の米国のボストンシーフードショーは見たことがあったが、今年欧州シーフードショーを初めて観た。とにかく会場が広く、1日では回りきれないほど。世界各地から出展し、来場者が集まった。魚をテーマにあれほどの規模の出展と来場者が世界中から集まることはすごい。シーフードが世界の食になっていることを感じた。単純に東京との比較はできないが、東京のシーフードショーは日本市場がターゲット。我々を含めて、まだまだ魚について知らないこと、理解していないことが沢山ある。魚の良さを見直す場としてシーフードショーは最適だ。国産魚、輸入魚を問わず、どの魚が、どの時期においしいかなど魚の知識について掘り下げる必要がある。 日本の経済水域は世界第6位というが、水産資源の密度で言えば順位はもっと上のはず。その豊富な水産資源を上手に利用していくべき。おさかなマイスターなどの取り組みをしているが、さらなる魚食普及に向けて少しずつでも何かやっていきたい。 水産流通の本丸、市場機能アピール 今の水産業界について考えると、漁業者から流通、加工、市場など、水産業界どこを見渡しても、経営が順調で儲かっている業種が少ない。 |
||||