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今週の一本

●中国の冷食工場 操業回復依然進まず  佐藤巳喜夫 (週刊冷食タイムス:09/12/08号)

07年比で仕事量半減
中国内販に手探り続く

 中国に進出した日系冷凍食品メーカーの事業展開が新たな段階に直面している。天洋事件をきっかけに国内生産の見直しが進み、日本向け中心に製品を供給してきた現地の工場は受注がいまでも戻っていない。そこで中国内販にターゲットを切り換え、需要開拓を図っているが、確実な実績をつかんだところは、事実上まだない。

熟練工、自宅待機で雇用確保も

包装機など
自動化対応が進んでいる
 11月中旬から月末まで現地を縦断取材し、最新事情をつかんできた。
 日本国内の冷食需要は天洋食品事件の影響から確実に回復を進め、ほぼ事件前の市場に戻りつつあるが、それは国内原料を国内工場で加工することで需要を引き寄せ続けてきたから。
 中国に進出している日系の冷食工場、あるいは日本向けを主とする現地資本の冷食工場は例外なくいまも受注が激減しており「07年比で仕事量は半分」と多くの工場が認めている。
 仕事が減っているから、ラインの稼働を減らし、従業員を削減している。しかし、一方で食品工場の雇用確保は一段と難しくなっている。そこで熟練工を手放さないため従業員を半分に分け、半数は工場勤務、半数は七割の給与保証で自宅待機を1カ月交代で続けているところもある。
 従業員確保が難しく、平均賃金も上昇し続ける新たな労務環境に対処するため中国の冷食工場では機械化も急速に進んでいる。
 製品の品質に直接影響しない作業は自動化しようという動き。手作業で横持ちしていた工程はコンベアでつなぎ、包装ラインにも自動化機械が使われ始めた。しかも「11月初旬から」、「今日から実験導入」というところも珍しくない。
 日本の市場回復の情報はどの工場でも入手しているが「それが中国の工場に反映されるのはまだ先だろう」と動向を注視している。
 中国内需を開拓するため事業戦略の再構築作業を各社急いでいるが、決め手となる販売提案や商品はまだ手探りが続いている。

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