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今週の一本

●江戸前シャコ漁4月解禁  辻雅司 (週刊水産タイムス:10/02/22号)

5年ぶり資源回復
横浜市漁協 再開祝いPRイベント予定

 神奈川県横浜市漁協は、特産の「柴シャコ」の資源を回復させるため5年前から禁漁としていたが、資源の回復が見られたことから4月より漁獲を再開する。操業再開を祝うイベントも計画している。

 横浜市漁協柴支所には、小型底びき漁船、筒アナゴ漁船、刺網漁船など71隻、151名の組合員が所属している。水揚げ数量は平成20年度で597t。
 昭和50年代から小型底びき漁船のシャコ漁が活発化し、平成元年には1000t(1枚500gの製品が200万枚)近くの生産を記録したが、その後徐々に漁獲高が減少、平成17年より、シャコの禁漁に踏み切っていた。

慣れないサバ釣漁で苦境耐える

 禁漁の期間、小型底引き漁船は、スズキなどの魚類への漁獲や慣れないサバ釣りなどに転換していた。シャコが水揚げされていた時は、シャコ加工に従事していた漁業者の家族も、加工の仕事がなくなったためパート労働などに従事し、禁漁による経済的なダメージを凌いだ。
 5年前のシャコの自主禁漁について横浜市漁協の小山紀雄組合長は「関係する千葉県漁協と話し合い、資源回復のための協力を得るべく努めた。また、禁漁の間にサバなどほかの魚類を漁獲するといった、新しい取組みを続けてきた。
 ムキシャコ製品の販売は東京築地や横浜の仲卸に出荷していたが、5年間の空白があり、以前のように江戸前の小柴シャコとして取扱いがスムーズに流れるか心配している。また、ムキシャコにするため家族や周辺住民など、加工に従事してくれる人手が確保できるのかという課題も残っている。回復した資源を大事に守りながら漁業を再開するため、今年は100〜150t(同20〜30万枚)程度に抑え、市場の反応を見ながら生産したい」と語った。
 また、松澤昭彦参事は「4月からの操業再開を記念して、小柴シャコをPRするイベントも実施したい。具体的な内容を現在検討している」とした。

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