●ご当地の味の冷食が増加話題性で導入容易“再現力”の勝負
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地元の会が監修した日水の 「室蘭カレーラーメン」 |
消費者はご当地に行く時間と経費を省いて話題のメニューを自宅で味わえるメリットがある。
きっかけはテーブルマーク(旧加ト吉)の讃岐うどん。讃岐うどんのコシの強さ、いりこだしのうまさなどが冷凍食品にしたことにより全国に広がった。これが冷凍麺で稲庭風うどんなど郷土の味を再現する動きにつながった。
シマダヤは「ほうとう」で秋冬の安定した需要を持つ。盛岡の冷麺で各社競合したこともある。キンレイはCVS向けにご当地麺メニューを様々提案し、同社のカラーにまでなった。
その後、味の素冷食が「なにわの餃子」などを商品化。ニチロ(現マルハニチロ食品)は神戸の「そばめし」で大ヒットを飛ばした。シマダヤの「富士宮やきそば」は昨年の同社市販用冷凍麺のけん引商品となった。
今春もご当地の味の取り組みが見られる。
日本水産の「わが家の麺自慢室蘭カレーラーメン」は地元で立ち上げた「室蘭カレーラーメンの会」監修商品。スープに7種類の香辛料をブレンドし、室蘭カレーの特徴である「甘辛でとろみのあるスープ」を再現した。
室蘭カレーラーメンは(1)札幌の味噌(2)函館の塩(3)旭川の醤油――味に続く第4の北海道ご当地ラーメンに育成しようと地元関係者が情報発信しており、テレビの人気番組「うわさのケンミンSHOW」でも紹介された。
同じく日水は門司港ホテル監修のレトログルメとして、昨年の「焼きカレー」に続き、今春第2弾「オム焼きカレー」を発売した。ライスの上にえびクリームカレーソースと卵、えび、チーズをかけて焼き上げた。
「横須賀海軍カレー」をベースとするドライカレーはマルハニチロ食品の人気商品となっているが、今春は東洋水産がライスバーガーの新バリエーションメニューとして発売した。
日清食品冷凍は「横手風焼そば」を発売した。本場同様に目玉焼きと福神漬を付けたのがポイント。
業務用ではご当地メニューだけでなく、原料も地元産にこだわった商品づくりが行なわれている。ご当地ブームは益々加熱しそう。