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今週の一本

●09年の冷凍食品統計  高橋尚徳 (週刊冷食タイムス:10/04/20号)

国内生産は3年連続減少
5%減139万t、業務用が苦戦

 (社)日本冷凍食品協会が発表した09年(1〜12月)の冷凍食品国内生産・消費高統計によると、数量は5.1%減139万tで3年連続のマイナス、減少率も拡大した。生産金額(工場出荷額)は4.5%減6364億円と過去2年の横ばいに対し、09年は再び減少に転じた。景気の低迷が大きく影響した。

 国内生産量139万tに、冷凍野菜輸入量76万tと、冷食協会員企業28社の調理冷凍食品輸入量20万tを加えた計235万8000tを国内消費量とした場合、日本の総人口1億2700万人で割った1人当たりの年間消費量は18.5kgと前年の4.5%減。消費量が前年を割ったのは、3年連続で5回目となる。
 ただし輸入調理冷食は会員企業のみを対象としており、ほかに商社や量販店の輸入も相当数あるため、実際の消費量は235万tを確実に上回る。
 国内工場は前年より84工場少ない647工場。
 冷食協の木村均専務理事は「経済環境や新認定制度移行に伴う工場の減少が生産数量減に与えた影響は、断定できないが2%ぐらいか。今年はマイナス分を取り戻したい」と語っている。
 国内生産のうち、市販用は数量3.2%減、金額3.1%減といずれもマイナスだった。業務用も内食化による外食需要の落ち込みなどが影響して数量6.2%減、金額5.3%減と前年を割った。国内生産に占める業務用比率は数量ベースで63.5%と0.8ポイント減、金額ベースでも62.2%と0.5ポイント下がった。
 生産品目数量を大分類で見ると、水産物以外、農産物、畜産物、調理食品、菓子類が前年を割った。
 全体の8割以上を占める最大品目の調理食品は、フライ類が10.9%減、フライ類以外が2.1%減。
 金額ベースでは全品目が前年を下回った。

餃子が回復基調に

 品目別で見ると、うどん、餃子、焼売などの増加量が大きかった。逆に減少量が大きかったのはピラフ・炒飯類、菓子類、コロッケ。
 生産数量上位20品を見ると、(1)コロッケ(2)うどん(3)ピラフ・炒飯類は前年と順位が変わらず、4位にハンバーグ(前年6位)が浮上、カツ(同4位)が5位に後退した。
 餃子は数量14.3%増に対し、金額が24.7%増と数量の伸びを上回った。順位も9位から7位に上がり、07年の順位に戻った。ピーク時(07年)の4万1000tに迫る勢いを見せている。
 19位のシチュー・スープ・ソース類は21位から、20位のえび類は23位からランクアップした。 

09年の国内生産数量上位20品
 品目数量(t)前年比(%)
@コロッケ156,767▲ 7.8
Aうどん141,4864.5
Bピラフ・炒飯類101,153▲13.9
Cハンバーグ64,6681.3
Dカツ63,295▲ 7.1
E菓子類50,409▲22.0
Fギョウザ37,94414.3
Gシュウマイ36,5579.2
Hグラタン29,945▲ 9.7
Iミートボール28,926 ▲20.9
J卵製品28,176▲ 8.6
Kたこ焼・お好み焼27,1870.4
L春巻23,176▲12.8
Mおにぎり19,94110.7
Nピザ18,389▲11.2
O魚類18,32910.3
Pパン・パン生地16,28613.0
Q鶏唐揚16,147▲31.2
Rシチュー・スープ・ソース類14,60913.0
Sえび類12,78012.9

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