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今週の一本

●ダイエー新浦安店でフローズンフェア  木村健 (週刊冷食タイムス:10/06/08号)

冷食170品を試食販売
価格に頼らず、売上げは平常時の4倍

初日から多くの買物客で賑わった
 ダイエーは冷食とアイスクリームの試食販売イベント「第15回フローズンフェア」を6月3〜7日の5日間、新浦安店(千葉)で開催した。初日から多くの買物客で賑わった。同フェアは販促企画ではあるが、価格訴求に頼らず、マネキンによる試食販売により冷凍食品の便利さ、おいしさなどの価値を消費者に知ってもらうことが目的の一つ。ナックスナカムラとメーカーの協力により、2003年から実施して一定の成果を得ている。08年からは福岡市のマリナタウン店でも定期的に開催している。

 冷食メーカー17社、アイス13社が協賛した。メーカーは1名以上のマネキンを派遣し、普段は営業や生産を担当している社員が積極的に買物客に試食を勧めた。
 販売した冷食は170アイテム。商品によって異なるが、ほぼ3割引価格で販売した。4〜5割引が常態化している中では決して激安といえる売価ではないものの、例年、通常の売上げの4倍ほどになるという。期間中の売上げは昨年秋に開催した前回のフェアの10%増を計画した。
 会場は1階の催事場を使用した。冷食32台、アイス13台の冷凍ショーケースを特設し、朝食向け、夕食向け、ランチ&弁当、パスタコーナー、具付麺コーナーなど食シーン別の陳列も行なった。
 新浦安店では同フェアが地域に定着していることもあり、「チラシを配布するだけで企画を思い出す消費者も少なくない」(ダイエー)ことから、マンネリを防ぐ意味で新たな企画も取り入れている。
 朝食コーナーに味の素冷食の「焼くだけベーカリー」や新宿中村屋の「カリー&ナン」など冷凍ベーカリー商品を揃えたのもその1つ。ベーカリー冷食はまだ認知度が低く、ダイエーの中でも取り扱っている店と扱っていない店がある。
 「普段はレギュラー品として販売する機会がなかなかない商品は少なくない。フェアで販売するとリピート率が高まる。」(ナックスナカムラ向井正専務)と言うように、試してみないと良さが分かりにくい冷食を紹介する良い機会にもなっている。「新浦安店の商圏はミドルエイジのファミリー層が多く、試売の効果が出やすい」(同)という。
 九州名物の提案「九州の味うまかもん市」も今回初の試み。福岡名物のひとくち餃子、かしわおにぎり、長崎名物のちゃんぽん、宮崎名物の肉まきおにぎり、鹿児島名物の豚バラなんこつ煮などの冷食を一堂に集めた。
 客足を催事場に向ける目的でアウトレットセールも行ない、8個入りのミニ肉まんをはじめ数品を39円均一で販売した。もともと価格訴求が目的ではないのでチラシには一切載せず、「売り切れ御免」のゲリラ的な企画。初日の開店直後からショーケースに補給が必要なほどの人気となっていた。中途半端な5割引を常態化するから消費者の価格に対する信頼性を失うのであり、その場限りの思い切った価格で集客のみに使うなら、こうした販売方法も「あり」と言えるだろう。
 過去のフェアで好評だった企画は継続した。対決企画はシマダヤの「富士宮やきそば」、日清食品冷凍の「横手風焼そば」、東洋水産の「上州太田焼そば」など、今回は名物焼きそばに焦点を当てた。パフェの早食い競争、人気投票、スタンプラリー、その場で当たる抽選などイベントもフェアを盛り上げた。

冷食「やや回復傾向」
 5月にマリナタウン店で開催した同フェアは冷凍食品の売上げが前回フェア比で10%増となり、盛り上がったという。
 ダイエーでは「過去数年、冷食売上げとフェアの販売実績は下降傾向だったが、昨年のフェアは上昇に転じた。4〜5月の冷食売上げも、5月の生鮮品の高騰が影響したのかもしれないとはいえ、持ち直しの傾向が出ている」としている。

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