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●大手水産4社の第1四半期、低価格化の中、各社奮闘
井出万寿男
(週刊水産タイムス:10/08/09号)
マルハニチロがスタートダッシュ
今期の動向を占う第1四半期。大手水産各社の4〜6月の業績は、マルハニチロが増収増益で好調なスタートダッシュを果たしたが、日本水産は営業利益が22%増加したものの、為替差損や株式の評価損で最終赤字を計上。極洋は増収だが、海運事業の苦戦で減益となった。ニチレイは営業・経常利益とも増加し、不況に伴う低価格化など厳しい事業環境の中で安定感を示した。
マルハニチロHD、純損益も大幅増益 マルハニチロホールディングスは、漁業・養殖事業や北米事業、水産商事事業が順調で損益面で貢献した。増収増益で四半期純利益も大幅な増益となった。 水産セグメントの売上高は4%増の1291億円、営業利益は21億円と前年同期の5億円の損失から大きく改善した。 漁業・養殖事業は漁労が不漁で生産が減ったが、マグロやカンパチなどの養殖事業での出荷が増え、原価低減も奏功し増収増益。北米事業はベーリング海スケソウダラ漁で操業期間短縮や母船会社の統合など経費削減に努める一方で、国内スリ身市況の持ち直しで増収増益。 水産商事事業も増収増益。エビ、サケ、カニなど主要魚種を中心に販売が堅調に進んだ。荷受事業は市場流通の販売不振と鮮魚の浜値上昇により減収減益となった。 食品セグメントの売上高は2.4%減の687億円、営業利益は3.7%増の33億9300万円。 冷凍食品事業は外食向けの販売低迷や主要原材料価格の上昇などにより減収減益。加工食品事業は缶詰の低価格化やギフト不振などで減収となったが、北海道の生産拠点のコスト削減などにより増益となった。
日本水産、9億円の純損失に 日本水産は売上高が減少したものの、営業利益は22%増加。ただ、経常利益は為替差損(5億7500万円)の発生などで半減、投資有価証券の評価損などによる特別損失もあり9億4700万円の純損失(前年は6億4800万円の純利益)となった。 水産事業の売上高は403億円(前年同期比19億円減)、営業損失7億円(同4億5300万円損失減)。日本でスリ身、油脂・ミールなどが売上げを伸ばし、海外は南米でサケ養殖事業の収益が改善したものの、漁労事業での漁獲量が減少した。欧州では景気低迷による販売価格の下落が売上げ減少に影響した。 食品事業は増収増益。売上高677億円で前年同期比5億3000万円増、営業利益は18億円で3億7500万円増加。国内では商品の低価格志向の継続や販売競争の激化などで厳しい事業環境が続いたが、北米では家庭用冷凍食品が堅調に推移、業務用水産調理冷凍食品会社は事業効率改善などで赤字額が縮減した。欧州では冷凍食品の売上げが伸びた。 ファイン事業は売上高58億円で横ばい、営業利益は11億6300万円でやや減少した。 物流事業は、輸入品の搬入量減少などで売上高は微減の28億5200万円で、営業利益も3億2700万円で1億3700万円減少した。
極 洋、増収も利益半減 極洋は水産商事や鰹・鮪事業などが貢献し、4社の中では最も売上げを伸ばしたが、冷凍食品の利益率低下や冷蔵運搬船事業の不振で営業利益は半減した。 水産商事事業の売上高は170億円で28億円の増収。営業利益は3億1800万円と9000万円増。国内外向け加工原料としてサケや北洋漁などを拡販。また、カニのむき身や伸ばしエビなど付加価値品が拡販。 寿司種など冷凍食品事業の売上高は97億円、営業利益は5400万円。販売競争の激化により利益率が低下。調理冷凍食品も販売が低迷した。 常温食品事業の売上高は35億2300万円、営業利益は9000万円。 物流サービス事業の売上高は11億8600万円と1億5500万円の減収。営業損失は5400万円(前期は1億9200万円の利益)となった。冷蔵倉庫は売上げ・利益を確保したが、冷蔵運搬船は国際的な運賃市況の低迷が響き損失計上となった。 鰹・鮪事業の売上高は59億9100万円と約16億円の増収。営業利益は4800万円と前年同期期比7700万円減益。カツオ・マグロ製造加工・販売で増収を果たしたが、利益は前年に及ばなかった。海外まき網は順調な操業、魚価安定などにより増収したが、減価償却費など経費が増加し減益となった。
ニチレイ、手堅く利益確保 ニチレイはアセロラ事業の譲渡などで売上高は減少したが、営業利益は22%増、経常利益も30%増加した。純利益は資産除去債務会計基準の変更などで7億円を特別損失に計上したため前期並みだった。 加工食品を除く、水産、畜産、低温物流のいずれも増収。ただ、加工食品は不採算だったチキン加工品の一部OEM調達の打ち切りや、チキンをはじめとする原料価格の低下、工場生産性の改善などで、逆に全社の増益に最も貢献した。 加工食品の売上高は398億円で前年に比べ31億円減少、営業利益は12億円で8億円増加した。 水産は「こだわり素材」など重点商品に注力して、売上高は168億円で5億円増加、営業利益も4億円で3億円増加した。販売価格がアップしたタコや、採算性が改善した中国加工のカレイなどで利益率が向上したほか、得意とするエビも販路が拡大した。 メキシコ湾の原油流出事故で相場が上昇傾向にある中で、主力の東南アジア産エビが数量・売上げとも伸長した。 低温物流は売上高347億円で4億円の増収、営業利益は19億円で1億円減。
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