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●業務用問屋が顧客を失う時
越川宏昭
(週刊冷食タイムス:11/09/20号)
大口ユーザーに目を奪われるな!
専門性を発揮し、顧客満足度高めよ 大手食品問屋の商圏拡大にともない中小の業務用食品問屋が大口顧客を失うケースが各地で散見される。1社の顧客を失うことで経営危機に陥ることはないにせよ、取扱高が大きいので必ずしも影響軽微とはいえない。こういう事態を回避するためには潜在需要を掘り起こすような商品提案や低コストで確実な物流、顧客の売上げ増につながる季節ごとの食提案などが不可欠。要するに卸がもつ機能を磨きあげ、顧客の期待に的確にこたえていく。この常道を踏み外さない限り外敵に足元を掬われることはないだろう。
大口ユーザーが地域業務用問屋との取り引きをやめ、全国問屋あるいは広域問屋に切り替えるのはなぜか。規模の大小だけでなく、そこに物足りないもの、不安なもの、顧客の繁盛に貢献できていない何かがあるからではなかろうか。 過去にも同様の事例が多数ある。年商50億円から100億円の問屋が取り引きを切られている。当の問屋は「取引条件が厳しく、継続は厳しかった」、「売上げは減るけれど利益面の被害は軽微」と負け惜しみともとれる言辞を述べる。しかし、大方は5億円内外、総売上高比で当該問屋にとっては10〜5%の売上げを一挙に失ったことになる。固定費への負担は決して小さくないはずである。 中規模の業務用卸の中には30億円の顧客を失い、大打撃を受けた事例もある。これらの苦い経験は、高い成長よりも安定した収益をめざすべきだという教訓そのものである。 失った顧客は全国展開する大手の居酒屋チェーンや委託給食会社、量販店の惣菜部門などの大口ユーザーが多い。全国展開するユーザーにとって地域ごとに経営状態の異なる問屋に商流、物流を委ねるのは実のところ厄介である。大手全国問屋に一括発注できればこれに越したことはない。 大手ユーザーはなぜ問屋を乗り換えるのか。多くは低コストで優れた商品提案や物流機能を提供できる問屋へと乗り換えるのである。 最近増えているのは年商3000億〜5000億円の大手問屋から1兆円超のメガ問屋への乗り換えである。そこにコスト低減への要請があるのはもとよりだが、多様な新商品の紹介、売れる売場作りの提案などリテールサポートの提供といった差別化されたサービスがある。さらにいえば、将来を見越した場合、勝ち組に与したいという打算も働いている。 大手問屋の間ですらこうである。まして、業務用問屋は自らの立ち位置を正しく認識し、持てる強みをより強く、売上げよりも利益を追求すべき。それには、顧客が何を求めているのか対象市場を研究分析し、的確な営業活動を行なう必要がある。低価格ばかり目を奪われていると、品質の優れた商品を求めるようになった顧客の変化に気付かないこともあろう。 業務用専業問屋は学校給食、産業給食、弁当、病院や老人福祉など地域に根づく顧客を最重視し、潜在的な需要を掘り下げていくことが何よりも重要。それにはいままで以上に顧客に密着して彼らが困っていることを解消し、かゆい所に手が届くような提案営業を行なうことが肝要。 風水害に襲われると、地盤の弱いところから地崩れを起こすのが自然の理である。業務用専業問屋が本来の客筋でない大口ユーザーに振り回されていると、足元に目が行き届かなくなる。メガ問屋は敵の隙を衝いてくる。 得意分野に関してなら、誰よりも顧客のことを知り尽くす地域密着問屋の強みである。専門性を発揮し、さらに的を絞って商品力、提案力を磨き、つねに顧客満足度の高い営業を行なうならば、いかなる有力問屋が攻めてこようとも負けないだろう。
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