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今週の一本

●冷食大手メーカー、3月期の増収ほぼ確実  佐藤巳喜夫 (週刊冷食タイムス:12/02/14号)

震災後の需要続く

原料高進み利益は微妙
 大手メーカーの冷食事業は3月通期で順調に売上げを伸ばしそうだ。しかし原料・副資材等の高騰の影響が次第に顕在化しつつあり、その対応に加え、震災の影響の大小も加わり、営業利益は好・不調に分かれそうだ。

 4〜12月の第1〜3四半期累計で、ニチレイは市販用調理冷食を中心に業務用も含めて売上げは好調。原料高に伴い営業利益はわずかに減益となった。しかしタイでチキンを手がける懸案のGFN社工場が、計画した1日10万羽の処理量を1月までに確保したことで、第4四半期は増益。通期でも冷食を中心とする加工食品は7%増収、8%の増益で50億円の利益を見込む。
 テーブルマークの冷食事業も12月まで増収。主食領域に集中した結果、同社が経営指標として重視しているEBITDAが27億円改善した。「期末の着地は年末年始と第4四半期次第」(日野三代春社長)と慎重だが、3月通期では利益を大幅に改善する見通し。
 味の素冷食は12月まで17億円増(2.0%増)の845億円、営業利益は9億円増(16%増)の67億円と収益改善を進めた。特に年末の10〜12月は7億円増収(2.8%増)の290億円、営業利益は4億円増(15%増)の23億円と市況が厳しさを増しても確実に増収・大幅増益を確保している。
 市販用主力のギョーザ、エビシューマイの売上げが堅調。やわらか若鶏から揚げや、具だくさん五目炒飯など米飯も順調、これにエビ寄せフライなどの自然解凍品も定着し、市販用全体で増収。業務用は外食、給食が低迷していたが、回復基調にあり、売上げは前年並の実績を確保した。
 第4四半期も「このままの流れで推移するだろう」(吉峯英虎社長)と見る。
 マルハニチロ食品も12月まで米飯等が好調で増収だが、震災の影響と原料高で減益。
 日本水産は市販用ちゃんぽん、業務用でチキン加工品が好調。合わせて増収基調を維持。通期でも増収増益を見込んでいる。

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