●福島など3県海域で出荷自粛放射性基準の影響ジワリ4月から厳格化 茨城は独自基準で対応 食品中の放射性物質の新基準値が今月から1kg当たり100ベクレルとなり、従来の暫定規制値500ベクレルから数値が厳格化されたことで、海の魚介類にも影響が出始めた。政府は12日の仙台湾のスズキに続き、13日に茨城沖で捕れたシロメバルを、17日には同沖のスズキ、ヒラメ、ニベを出荷停止とした。このほか、両県では出荷を自粛している魚種が複数あり、漁業者は危機感を募らせている。 水産庁によると政府から出荷停止指示を受けた茨城県の3魚種について、6〜8日に漁獲されたヒラメ(北茨城市沖)から163ベクレル、ニベ(日立市沖)から114ベクレル、スズキ(鹿嶋市沖)から115ベクレルが検出された。 また、同県は国の基準より厳しい50ベクレル以上で出荷を自粛する独自基準を設けており、基準値超による魚種の自粛も相次いでいる。50〜100ベクレルの場合は、北部(日立市以北)、県央部(東海村〜大洗町)、南部(鉾田市以南)の3海域に分けて、その魚種が獲れた海域のみ自粛する。 一方、放射性セシウムが当時の国の基準(1キロあたり500ベクレル)を超え5日付で出荷・販売を自粛していたコウナゴ(イカナゴ稚魚)について、県は17日付で県北部海域に限定して自粛要請を解除した。3月以降の検査で、県の独自基準50ベクレルを下回り安全が確保されたためとしている。 宮城県は仙台湾のスズキが出荷停止、県内の一部海域で捕れたマダラ、ヒガンフグの出荷を自粛している状態。県漁協は基準値超の水産物の買い取りを求めているが、東電が補償に応じる意向を示しているという。 |
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