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今週の一本

●ニチレイ、味冷 タイの冷食工場に相次ぎ投資  佐藤巳喜夫 (週刊冷食タイムス:12/05/15号)

安定調達と収益増めざす

 ニチレイと味の素冷凍食品はタイの冷凍食品工場に相次いで投資する。味の素冷食はタイの洪水で生産を停止していたアユタヤ県のタイ味の素冷凍食品(AFT)を再構築し、11月中旬から生産を再開する。ニチレイは主力商品のチキン加工品を手掛けるチョンブリ県の超大型工場GFNに加工ラインを増設し、逆ザヤ状態にあるタイ国内向け加工品を来年6月頃から生産開始する。両社とも大震災後、需要が安定成長する日本向け供給を安定化させるとともに、生産リスクを分散し、収益向上をめざす。

 ニチレイはタイの超大型チキン加工会社GFNの第2期増強工事を決定した。8億9500万円を投資し、月産500tの新ラインを増設する。6月着工、来年6月竣工の予定。

 1期工場では懸案の1日10万羽処理を実現し「日本向けは順調に稼働、収益にも貢献している」(村井利彰社長)。しかし、タイ国内の鶏肉市場は欧州販売解禁を見込んで商品がダブついているため、相場が軟調で「GFNの収益改善には時間がかかる」(同社)。

 そこでタイ国内鶏肉販売の影響を最小化するため欧州の販売先開拓と加工ラインの生産性改善、胸肉の商品開発を急ぐ。新ラインの増設で13年度は加工品化を加速する。新ラインでは日本向け仕様と異なる規格の商品を生産する。

 ニチレイは日本国内のチキン加工品で前期は495億円に対し、今期は31億円増の526億円を見込む。

日本に市販主力品、アジアは餃子特化

 味の素冷凍食品は洪水被害で生産を停止していたタイ味の素冷凍食品(AFT)の生産活動を11月中旬再開する、と9日発表した。

 AFTの工場があるアユタヤ・ハイテク工業区は洪水再発被災リスクを低減する工事が進んでおり、AFTでも今月からラインの再構築工事を開始する。

 同工場の生産停止の間、日本向け製品の生産はグループのタイ味の素ベタグロ冷凍食品(TAB)で一極生産していたが、AFTの工場が11月に稼働を再開することで、一極集中リスクを解消し、「既に顕在化している欧州市場に加え、成長が期待されるアセアン市場開拓に向けた生産も検討する」(味の素冷食)。

 AFTの新工場は競争力を強化するため、日本向け市販用主力品の「やわらか若鶏から揚げ(ボリュームパック)」などとともに、欧州・アジア向けの「餃子」類に特化し、よりコンパクトで高生産・高収益性を備えた体制とする。

 将来の成長に向けた供給能力と増産スペースも確保する。
 敷地約1万8500m2、建屋約1万2080m2。設備投資額は8億3300万バーツ(約22億円)。2ラインで年間約7000t能力を持つ。従業員数は約400名。

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