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今週の一本

●冷凍食品は『未来の食品』  去石誠一 (週刊冷食タイムス:12/06/05号)

信頼の獲得が大事

記者会見する伊藤会長
いまこそ普及のチャンス
日本冷凍食品協会 伊藤新会長

 (社)日本冷凍食品協会の新会長に就いた伊藤雅俊味の素社長は、「冷凍食品は“未来の食品”だと思う。ただし、浦野光人前会長が語っていた“最強の食品”という条件が付く。お客様の要望に対応し、信頼を得ることで未来の食品となる」と語った。先月28日都内で開催した通常総会後の懇親会の途中行なった記者会見の席上、語った。

 新会長の抱負――「昭和44年に協会が発足して43年の軌跡をみると、マーケットを作ってきた歴史と言える。今は、これまで以上に普及するチャンスだと捉える。より幅広く冷凍食品を使ってもらえるよう会長としての仕事に務める。それには冷凍食品の質を高め、お客様の信頼の質を高めることが大切。これが消費者の評価となって表れる」。

 食品産業における冷凍食品の位置付け――「利用機会を増やし、お役立ち方を増やすために幅広く提案すべき。世帯の年齢、人数が激変していることも冷凍食品にとってはチャンス。国内はもとより、世界各国から商品を提供していくことが大事」。

 冷凍食品の認定制度について――「今すぐに制度拡大を語るつもりはない。制度の原点は、(信頼ある工場で)冷凍食品がきちんと作られていることを消費者に認識してもらうということ。顧客に代わって工場で生産していると言っても良いと思う」。

 顧客へのアプローチ――「業界全体としてアプローチする機会がまだ少ない。各社がそれぞれの得意分野で新しい価値を生み出し、顧客への啓蒙活動を展開することで、需要はさらに拡大できる。冷凍食品を大量に生産するメーカーも少ないメーカーも、仕事は分担できる。自社の立ち位置を定めていくことが重要。特徴が出せなければ生き残れない」。

 欧米の冷凍食品産業との違い――「国による味覚の違いは否めない。弁当商材などは正に日本独自のもの。産業としては再生産性が全く異なる。欧米では集約化が勢いよく進んでいる。もっとも、これが日本の脅威になる訳ではない」。

 直面する足元の課題――「冷凍食品の工場が建設された時期は各社重なっており、初期の頃の工場は老朽化が進んでいる。各社ともこれから工場をどう変えていくか真剣に検討している」。

 冷凍食品を会長の言葉で表現すると――「“未来の食品”だと思う。ただし“最強の食品”を条件とする」。

 その他――「電力(不足)問題は短期的には影響はあるだろうが、ある形に収れんされるだろうと楽観視している。メーカーが小売のPB商品を生産する是非については、ビジネス上の問題で良し悪しは言えない」。

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