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今週の一本

●前期の冷食事業、震災乗り越え増収基調  去石誠一 (週刊冷食タイムス:12/06/26号)

中食・内食需要が後押し

 有力メーカー各社の前3月期の冷凍食品事業は、概ね増収で着地した。前年は3月の東日本大震災の影響で市販用を伸ばした企業が少なくないが、一方で外食の落ち込みで業務用が苦戦したところも多い。また工場の被災で計画通りの生産ができず、数字を伸ばしきれなかったところもある。各社の今期計画をみると、自社の強みを生かしながら、伸ばそうという傾向が強い。

 2011年度の冷凍食品売上高は各社概ね前年実績を上回っている。中でも前年比で5%以上伸ばしたのはニチレイフーズ(6.1%増)、日本水産(5.4%増)、極洋(14.9%増)、アクリフーズ(6.0%増)。このうち、久し振りに800億円台に近づけたのが日本水産。特に業務用調理冷凍食品が9.7%増と売上げに貢献した。ニチレイフーズとアクリフーズは業務用に比べて、市販用の伸び率が大きいのが特徴。

 逆に、震災の影響で生産工場が被災したヤヨイ食品は3割減とダウンしたが、マルハニチログループ化で巻き返しを図り、12年度は30億円のプラス、270億円を計画している。また同様に震災の影響が大きかったマルハニチロ食品は、グループ内での生産委託で前年並の落ち込みに留めた。同社の冷凍食品工場は「昨年12月時点で9割までスピーディーに復旧した」(今村宏マルハニチロホールディングス常務)ことが大きく、連結ベースでは28億円増収の1203億円と健闘している。特に冷凍野菜と米飯の伸びが貢献した。

 日清フーズと日本製粉の製粉系2社も順調に冷凍食品事業を拡大している。両社とも商品別の売上高は非公開だが、市販用パスタを中心に売上げを伸ばしているのは確実。この数年は冷凍生パスタの需要が活発なばかりか、昨年の震災以降は節電意識の高まりで、手軽に調理できるスパゲティが見直されている。冷製パスタの需要も伸びている。

 冷凍食品事業を主食分野の麺・米飯・パンに集中してきたテーブルマークは、アイテムの統廃合による落ち込みを止め、前年比3.8%の増収(一部常温食品を含む)となった。味の素冷凍食品は市販用3.3%増、業務用1.0%増とそれぞれ堅調に伸ばした。

 伸び率が2ケタの極洋は「中食や内食傾向の強まりを背景に、水産フライ類やえび加工品、かに風味かまぼこなど調理冷凍食品が順調に推移」したが、寿司種を中心とする水産冷凍食品は「原料価格の高騰や販売競争の激化で伸び悩んだ」という。

 骨なし魚を主体とする大冷は、かつての2ケタ増とはいかないが、全体で2.2%増。主力の骨なし魚は原料高で難しい局面にあるものの、前年の106億円に対して117億1千万円と10億円以上伸ばした。

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