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今週の一本

●イートアンド、新関東工場を竣工  高橋尚徳 (週刊冷食タイムス:12/09/18号)

東日本エリアの供給能力増強

モダンな外観の新・関東工場
 イートアンド(大阪市、文野直樹社長)は群馬県板倉町に移転・新設した関東工場の竣工式を13日現地で開いた。東日本エリアをカバーする基幹工場として、「大阪王将」など外食店に配送する餃子の具・皮、生麺と、量販店などに販売する冷凍餃子・水餃子を生産する。今後、東日本エリアで出店を強化するとともに、これまで関西工場から出荷していた製品の製造を移管することで、鮮度の向上と輸送コストの軽減を見込む。総事業費は約17億円。

 敷地9737m²に、建物は5630m²(3階建て)。白を基調とした外観に、屋上と壁面の一部を緑化。全体的にモダンな雰囲気を醸し出している。

 文野社長は「出来栄えには満足している。従業員が生きいきと、プライドを持って働ける環境が作りたかった」と語っている。

 工場排水は処理施設で魚が住めるレベルまで浄化し、緑地の育成やトイレの水などに再利用。そのまま下水には流さない。さらに、太陽熱で水道水を温め、ボイラーで湯を沸かす負担を減らしている。試算ではCO2排出量を年間9.5t削減できる。

 13日の竣工式では、地元の小中学生から事前に募集していた工場の愛称を発表した。497件の応募の中から選ばれたのは、小学1年生針谷莉希(はりがい・りき)君の「幸せ発信基地」。針谷君には餃子1年分を贈った。

地域貢献を重視、東洋大学との連携も視野

 新・関東工場のテーマは「優しい物語のある工場」。従業員の働き甲斐に次いで、地域社会への貢献を重視している。

 地元からはすでに60名を雇用。生産ラインに沿って見学者用通路を設け、ガラス越しに生産工程を見て歩くことができる。

 近隣には東洋大学生命科学部があり、産学連携の商品開発も視野に入れている。3年前に50億円を投じて建設した研究棟もある。

 文野社長は「例えば、臭いが残らないニンニクなど、原料の品種改良にまで踏み込んだ連携も期待したい」と語っている。

 工場の候補地は埼玉や福島にもあったが「交通アクセスの良さが一番のポイント。外食店や量販店に鮮度を落とさずに届けたい。しかも水がきれいで食品工場には適している。現地を視察した時のインスピレーションもあった」(文野社長)。

最大で月産1724tまで可能

 生産能力は、外食店向けの餃子の具・皮、生麺が月産372t、販売向けの冷凍餃子・水餃子が同290tの計662t。拡張余地を残しており、最大1724tの製造が可能。主力の関西工場を上回る規模となる。

 餃子用の成形機は3台。最大で1時間当たり2万7千粒の餃子を成形する。たれ付餃子は月産200t(100万パック)で、最大800tまで増産が可能。水餃子は初年度90t(30万パック)を予定しているが、最大で倍増の180tの生産が可能になる。

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