●太平洋系群マイワシ増加傾向続く400万t→3万t以下→13万t 独立行政法人水産総合研究センターが毎年継続して実施している春季と秋季沖合域の資源評価調査では、2010年生まれの生き残りが多く存在し、「マイワシ復活」に結びつく親魚量全体の豊度も高くなる可能性が示唆された。 その後の産卵状況が注目されていたが、現状として親魚量の増加と、それに伴う加入量の増加を反映して産卵量も継続して増加していることが分かった。さらに今年の沖合域調査で、2012年生まれの当歳魚も多数生き残っていることから、水研センターではマイワシ太平洋系群の増加傾向がさらに継続しているものと判断した。 日本周辺のマイワシは、1980年代には年間400万t以上漁獲されたこともあったが、その後、資源量が激減し、近年は数万tで推移していた。 マイワシ太平洋系群も1980年代は広く太平洋側で漁獲されていたが、1990年代後半以降は極めて低い資源水準で推移しており、回遊域も縮小し、最近の漁場は常磐以南にほぼ限られていた。2008年には年間漁獲量がわずか2万7000tまで落ちた。 ところが、2010年生まれの加入豊度は近年では卓越して高くなり、1歳魚となった昨年夏には三陸北部、道東へ来遊。道東では18年ぶりにマイワシ漁場が形成された。 2011年の漁獲量は13万tとなり、資源増加に向けた兆しと注目されたが、2012年も成魚が増加していることから、水研センターでは「資源の増加傾向は継続している」と指摘している。 一時は高級魚となったイワシが再び身近な存在になるかもしれない。 |
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