●キユーピー、家庭用冷食を準備タマゴの未開拓需要創出
業務用の実績ベースに進出を計画 「当面はチルドをメインに取り組む」(須田茂博取締役、タマゴ事業担当、2月26日付で常務取締役上席執行役員)が、冷凍食品の研究開発も進めており「冷凍食品の可能性は否定しない」(須田取締役)とし「さらに品質保証面の磨きをかけ、冷凍鶏卵で家庭用進出も視野に取り組む」(三宅社長)と計画を語っている。 家庭用チルド鶏卵加工品は昨年から発売している。 わが国の鶏卵生産量は250万tで、同社は取り扱いシェアトップだが「当社が扱っているのはマヨネーズ等加工用原料としての50万t分だけ。家庭用125万tと業務用殻付卵の75万tは未開拓。この取り組みを進めて未開拓需要を創出する」(三宅社長)のが鶏卵加工品で家庭用に進出するねらい。 全社で業務用拡大、冷食8%増 キユーピーは中期計画でフードサービス市場(FS、業務用)を全社グループの取り組みで拡大する。 量販店の食品売場で扱っている同社の家庭用商品の売上比率は全社の35%に対し、FS事業の取り扱いはバックヤード等や一般外食、業務用領域を含め65%と過半数を占める。 これまでFS本部で取り組んできた商品提案に加え「FS市場で普及した商品、販売提案を家庭用に展開する新たな連動も始まっており、グループ全体でFS拡大に取り組んでいる」(斉藤謙吾執行役員FS本部長)。 前11月期のFS事業の売上げのうち、冷凍食品は約35%を占め、前期比8%増と好調。とろっと卵など高機能商品が特に順調。 3年で1000億投資、2019年の100周年に向けて キユーピーは今期からの第7次中期計画(13〜15年)と第8次中計(16〜18年)の2期6年間で「機能、事業基盤を磨き上げ」(三宅峰三郎社長)、2019年の創立100周年をめざす。今中計のテーマは「将来にわたる成長への投資を強化」、次期中計は「新たな成長のステージへ発展」とし、100周年で「マヨネーズのキユーピー」+「卵・野菜・アジアのキユーピー」への成長像を描いている。 100周年の定量目標は売上高6500億円以上(12年11月期5050億円)、営業利益400億円以上(同234億円)、営業利益率6.0%以上(同4.6%)という強い企業体質をめざす。 新中計に基づき、13〜15年の3年間で「成長投資枠」として1千億円を投じる。 大型投資により、生産効率化、生産拠点の最適配置、物流ネットワークの構築、ICT機能強化、グループオフィスの新設、研究開発拠点の集約、増産や海外など新規展開、戦略的M&Aを実行する。 三宅峰三郎社長は「海外展開を独資で手掛ければ、どうしてもスピード感に欠ける。そこでその分野で先行、あるいは実績のあるところにマイナー投資することも含め、既存領域に近いところから取り組み、成長基盤と新たな挑戦を実現させる」とする。 |
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