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今週の一本

●漁業者2500人が全国集会  相模活 (週刊水産タイムス:13/06/03号)

燃油高騰で国の支援要請

「採算合わず、漁に出られない」

「燃油高騰対策を実現せよ」と声を上げる漁業者
 急激な円安に伴う燃油価格の高騰を受けて、JF全漁連(服部郁弘会長)は5月29日、東京・千代田区の日比谷野外音楽堂で集会を開き、緊急対策を求める決議を採択した。全国から約2500人の漁業者が集まり、「漁に出られる政策を確立せよ」などと声を上げた。参加者は集会後に、国会周辺をデモ行進した。A重油の価格は1kg当たり90円台に跳ね上がったままで、さらに上昇する懸念も出ている。国も特別対策を検討しているが、具体化はされていない。

 服部会長はあいさつで「景気回復による水産物の消費回復と魚価の安定を漁業者は待ち望んでおり、景気浮揚政策を決して否定はしない」と前置きした上で、「しかし、円安によってもたらされた燃油価格や養殖用飼料の急騰によって、漁業・養殖業者が廃業にまで追い込まれることは許されるものではない」と強調。燃油高騰の緊急対策を、駆けつけた多くの国会議員に要請した。

 2008年の燃料高騰を教訓に、国と漁業者が急激な値上げに備え、折半で基金を積み立てるセーフティーネット構築制度がある。だが、アベノミクスによる円安の進行で、燃油価格は急上昇。「異常事態」に突入し、漁業者らは燃油値上がり分の新たな支援を望んでいる。

 セーフティーネットについて意見表明した、沖合底びき網漁業者(兵庫県)の吉岡修一JF但馬組合長・全国底曳網漁業連合会会長は、漁業者の掛け金の減額や補てん発動のハードルを下げることを国に強く要望した。

 小型いか釣り漁業者(青森県)の三國優JF野牛組合長・青森県小型いか釣漁業協議会会長は「燃油高で採算が合わず、漁に出られない船も出ている。出漁できる対策を打ってほしい」と注文した。

 近海かつお一本釣り漁業者(宮崎県)の渡邊義一JF南郷理事・宮崎県かつお・まぐろ漁業者協会監事も「コスト上昇をかかえたままでは漁業は持たない」と緊急支援の必要性を訴えた。

 漁業者の切実な声に対し、自民党水産政策推進議員協議会の大島理森会長・衆院議員は、新たな緊急対策を政府に働きかけてきたが、引き続き検討を促すと漁業者に約束した。

 デモ行進に参加した漁業者の一人は「省エネ機器の導入や経費削減努力をしてきたが、円安による燃料費急騰にすべてのみ込まれた漁が続けられるか心配。国は漁業を守ってほしい」と厳しい表情で話していた。

 JF全漁連の服部郁弘会長や大日本水産会の白須敏朗会長は集会後、農水省を訪れ、江藤拓副大臣と本川一善水産庁長官に、円安による燃油高騰分の緊急支援を求めた。

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