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今週の一本

●キユーピー、市販冷食で参入準備  佐藤巳喜夫 (週刊冷食タイムス:13/07/09号)

タマゴの未開拓市場掘り起こす

 キユーピー(三宅峰三郎社長)は冷凍食品事業の拡大を計画している。国内では市販用の市場参入準備を進めており、海外では中国、東南アジアで業務用の展開を見込んで事業モデルの策定、推進を図る。国内では「スノーマン」ブランドで業務用冷凍食品を手がけているが、グループの主力領域の1つであるタマゴ事業では「未開拓市場での需要創出」を課題としており、卵加工品で市販用冷凍食品市場の掘り起こしを図る。また、海外販売の拡大は中期経営計画の重点課題であり、得意の鶏卵製品で事業の可能性を探る。

中国、アセアンは業務用

三宅社長

 消費者に広く知られ、ブランド好感度の高いキユーピーが市販用冷凍食品に参入すれば、冷食市場で大きな話題を呼び、これに伴なって市販用の動きが活発となり、市場活性化につながる強いインパクトを与えることは間違いない。

 マヨネーズ、ドレッシング等の調味料事業と並んで同社の主力領域であるタマゴ事業では「スノーマン」ブランドの業務用冷凍食品を手掛けているほか、食品メーカーなど大口需要筋に液卵等を供給している。

 しかし市販用卵製品は一部チルド加工品の販売が始まったばかりで未開拓分野。そこで冷凍鶏卵加工品で市販用に進出することでタマゴ事業の拡大を図る。

 三宅峰三郎社長は市販用冷食事業について「早く実現するよう現場に指示している」とし、下期からの取り組み開始も示唆する。タマゴ事業担当の須田茂博常務上席執行役員も「商品ラインナップを検討しており、早期に取り組みを始めたい」とし、秋以降の第1弾投入の可能性を示す。

 海外ではマヨネーズ、ジャム、ドレッシングなど調味料が先行。生産も中国、アジアに続き、米国でドレッシングの現地生産を3月から開始するなど取り組みが進んでいるが「タマゴの技術を活かし、東アジアで加工品の市場開拓を進めたい」(三宅社長)と業務用冷食展開に意欲を見せる。

 中国では製パン、給食、CVS等にオムレツ、目玉焼きなど、タイ、マレーシアでは量販店惣菜、日本食店向けに厚焼き卵、茶碗蒸しの素などの冷食事業をイメージする。現地には自営工場があるが「新たな合弁相手と一緒に取り組むこともあり得る」(須田常務)。

 中国華南の南通市に直営惣菜店「日菜」を今年開店しており「日本風のタマゴ加工品の人気が非常に高い」ことを確認している。

 キユーピーは2019年の創立100周年に向けた13〜15年、16〜18年の中計でタマゴ事業と海外事業の強化を重点策としている。

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