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今週の一本

●進化を遂げるハンバーグ市場  去石誠一 (週刊冷食タイムス:13/09/03号)

「弁当」から「食卓」へ

外食はビーフ100%が中心

 洋食メニューの定番「ハンバーグ」を再強化するメーカーが増えている。ハンバーグは、育ち盛りの子供たちを対象にスーパーの惣菜・チルド・冷凍食品売場でも、古くから定番商品として足場を固めている存在。もちろんリーズナブルな弁当にも欠かせない人気メニュー。冷凍食品では子供の弁当用で活躍してきたが、近年は夕食(食卓)の1品として本格路線のハンバーグも増え、多様化が進んでいる。進化するハンバーグを探った。

南給の展示会では定番商品として
各社がハンバーグを紹介した
 市販用冷凍ハンバーグといえば、子供のお弁当箱に詰めるおかずの1品というイメージが強く、カップ惣菜のひとつという位置付けにある。アクリフーズが今秋の新商品として投入した「2種の煮込み風ハンバーグ」は、デミグラスソースとトマトソースの2種類のハンバーグをアソートした商品で、お弁当向け“くまちゃん占い”シリーズに括り入れている。

 こうした子供向け弁当商材とは一線を画して、夕食(食卓)でハンバーグを楽しんでもらおうという動きもある。その代表が、“フレック”ブランドを持つ味の素冷凍食品、得意のソースで差別化するハインツ日本、原料肉に強みを持つ日本ハムデリニューズなどが主力。箸で切れる柔らかさを主張しながらも、家庭で手軽に味わえる洋食としてのアピールが強い商品といえる。

 一方、業務用は外食、産業給食、学校給食と業態によって事情が異なる。ハンバーグメニューを育ててきたファミリーレストランは、これまでの子供対象から大人にも間口を広げている。

 少子高齢化や単身世帯の増加を踏まえた流れ。メニューは年々本格化し、いまや「牛肉100%」は当たり前。また「草鞋(わらじ)型」から「俵型」へとし好が移る中で、中心部まで火が通り難い豚を避けるという傾向もある。

 産業給食は価格の安いチキンハンバーグが主流。牛や豚と比べて「ヘルシー感を訴求しやすい」のが理由のひとつ。また、定番メニューは「ユーザーが冒険せずに同じ商品を使い続ける」傾向が強い。

 不二製油のように畜肉に代えて、大豆たん白を使った豆腐ハンバーグなどの変わり種も多い。食事制限のある病院給食、嚥下に対応したい施設給食などの需要に応えている。

冷凍ハンバーグ生産量10年で1万t増

 冷凍ハンバーグの国内生産数量は、平成24年実績で6万9100t、前年比11.4%増だった。これは冷凍食品の総生産数量146万8300tの4.7%を占める。10年前の15年は5万9200tで、これと比較すると9900t増加している。

 過去10年間の生産数量のピークは平成19年の7万3200t。逆に最も少なかったのは16年の5万6700t。19年と16年のハンバーグ生産数量の差は1万6500tある。

 冷凍食品の品目別生産数量(24年実績)のトップ5は、1位コロッケ(16万5900t)、2位うどん(15万9100t)、3位ハンバーグ(6万9100t)、4位ピラフ類(5万6100t)、5位炒飯(5万3200t)の順。

 過去10年間、コロッケは1位、うどんは2位をキープ。「ピラフ・炒飯類」のくくりが、平成23年から「ピラフ類」と「炒飯」に分かれたことで、ハンバーグは23年、24年と3位にランクしている。

 4位のピラフ類、5位の炒飯とは1万t以上リードしている。ちなみにミートボールは3万5400tで品目別生産数量11位。

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