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今週の一本

●マルハニチログループ3社長年末会見  井出万寿男 (週刊水産タイムス:13/12/16号)

HD久代社長「新体制で攻めの年に」

久代社長
伊藤社長
坂井社長
 マルハニチロホールディングスの久代敏男社長、マルハニチロ水産の伊藤滋社長、マルハニチロ食品の坂井道郎社長は10日、東京・豊洲のマルハニチロHD本社で年末会見を開き、2013年の総括と明年の抱負を語った。来年4月のグループ6社統合を前に、久代社長は「統合はついに終着点を迎えた。想定された特損もほとんどなくなり、有利子負債もほぼ計画通りに圧縮。2014年度からの新中期経営計画は攻めの中計になる」と語った。

 久代社長は現中計のポイントとしてきた、@収益力強化A財務体質強化B海外売上高の拡大C震災復興――について一定の成果を上げられた点を強調。今年度は「水産・食品業界にとって原材料価格の高騰に円安が追い打ちをかけ、特に販売価格に転嫁しにくい食品事業は非常に厳しい展開となった。水産はサケ、エビの価格が高騰し、収益が安定した」と述べた。

 新体制に向けては「ユニット経営が軸になる。マルハニチロの統合を経験しており、統合作業は順調に進んでいる。内部のモチベーションも高まっている」と説明。1月30日に臨時株主総会を開き、2月上旬に久代・伊藤の新旧社長が記者会見を行う意向も明らかにした。

 伊藤社長は「世界の水産物の生産は天然、養殖とも完全に頭打ち。これだけの高相場が続いてもマーケットが受け入れているのは在庫の減少が背景にある。今後はいかに調達力を強化できるかが成長のカギ」との見方を示した。

 伊藤社長は、@為替の動向A世界の需給バランスB国内の消費動向――が今年度の業績に大きく関わっている点を説明。「上期は高単価に支えられたが、年明けは厳しいと見られる。円安がしばらく続くと見られる中で、マーケットがどう展開していくかを注視している」と慎重な構えを見せた。

 上期は増収で折り返すも原料高と為替の変動で減益を余儀なくされている食品セグメントの坂井社長は「価格改定に対する末端の抵抗は予想以上に強い。コスト構造をどう変えていけるかで競争に勝てるかどうかが決まる」と強調。9日に発表したニチロサンフーズ、ヤヨイ食品の合併も「そうした取り組みの一環」と話した。

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