●イスラム教徒も安心のハラール食クジラ料理の試食会、都内のモスクに300人
共同船舶が所有する調査捕鯨母船「日新丸」が昨年11月、船内で行う鯨肉の加工処理の「ハラール認証」を、国際イスラム交流支援協会(大阪)から受けた。ハラールはアラビア語で「許されたもの」を意味し、イスラム教の戒律に沿った食べ物と証明するものだ。 宗教上の理由で食材の制限があるイスラム教。「日本に来て、何を食べていいのか分からなくて困っている」。そんなイスラム教徒の声がきっかけで、鯨肉の消費拡大を狙う同社がハラールを取得し、イスラム支援団体とともに試食会の開催にこぎつけた。 イスラム教徒とクジラは、意外な接点もある。「コーラン」ほど有名ではないが、イスラム教の聖典「ハーディス」に神が飢えた人々にクジラを与えた、という記述が記されている。 試食会には約300人が参加した。メニューはクジラのステーキ、刺し身、カレーなど。試食したトルコ人の若いカップルは「どの料理もおいしかった。初めて食べたけど、全く抵抗はなかった」と満足げ。ハーディスについて聞いてみると「私は知らなかったが、両親は知っていた」と言う。 トルコといえば、焼き肉料理「ケバブ」のイメージが強い。イスラム教国のため豚肉は使わず羊肉を使っている。共同船舶の高野雄介氏は「鯨肉も羊肉も少しクセがあるのが特徴。羊肉を食べなれた中東諸国の人には、受け入れられやすいのでは」とみている。 この日のクジラステーキは、本場のケバブに習いヨーグルトソースをかけて提供。イスラム教徒の子どもにも好評だった。 |
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