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●マルハニチロの中計、冷食に一番の期待
佐藤巳喜夫
(週刊冷食タイムス:14/06/17号)
めざすは市場シェアナンバーワン
4年後1662億円、利益39億円を計画
マルハニチロは今期スタートした新中計4カ年計画「Challenge Toward 2017」(14年4月〜18年3月)の中で、冷凍食品ユニット(田島真人常務ユニット長)に全ユニットの中で最大の利益改善(増益)と売上げの伸びを期待している。また新中計の「成功戦略」4つの遂行課題として『冷凍食品のシェアNo.1へ』と掲げるとともに、『ロングライフチルド事業』への進出というテーマを打ち出したのが注目される。
グループ売上げは13年度(14年3月期)の8517億円を4年後に9千億円へと約500億円増、伸び率5・7%増というやや緩やかな伸びを見込んでいるが、営業利益は106億円から200億円へと、約2倍の飛躍的な利益改善を計画している。 一方、4カ年計画で冷凍食品ユニットの売上げは13年度実績1539億円を、年率31億円増で17年度には123億円増の1662億円を計画。123億円の増収計画は二番目の増収幅となる加工食品ユニットの105億円増を大きく上回り全社最大の増収計画。 新中計最終の17年度で売上げが最も多く見込んでいるのは荷受ユニットの2626億円だが、同ユニットは4年間で逆に36億円の減収を予想している。これに対し、冷凍食品の1662億円と加工食品の746億円を合わせると2408億円で4年間に計228億円の増収を見込み、荷受に匹敵する規模に引き上げる。 営業利益では冷凍食品ユニットにさらに大きな期待を寄せる。前期の冷食ユニットの利益7億円を年率8億円増、4年間で32億円の増益とし、17年度で39億円を計画。2位の水産商事が4年間で3億円増の30億円と見込むのに比べ、冷食ユニットの増益計画が突出していることがわかる。 同様に加工食品の利益も4年間で22億円増とし、26億円を計画。冷食、加工食品を合わせて65億円の利益は全社の33%を占める。 新中計で冷食事業に最大の増収、増益を期待していることについて、田島常務は次の様に語っている。 「急激なコスト高に農薬混入事件が重なり、前期は大変苦しい業績だったが、マルハニチログループが本来持っている商品力、技術力、販売力など総力を結集すれば事業はもっと大きくできる、可能性は非常に大きいというグループの考えであり、伊藤滋社長の強い思いでもある。 計画を実現するため、生産、開発、販売、技術、物流、調達などユニット内のあらゆる機能を見直し、強化して取り組み、グループがめざす『冷凍食品シェアNo.1』の実現を図る」。
欧米注目市場、LLチルドに挑戦
マルハニチロが新中計で掲げた注目の新事業「ロングライフチルド」は海外技術を取り入れた賞味期限1カ月程度の調理済LL食品。一部商品をテストマーケティングしている。 生産ラインを整備し、来春には本格展開を始める考え。欧米では冷凍、チルド帯を横断してカバーするLLデリカが売場を広げており、新しいトレンドとして日本の冷食メーカーや一部小売店トップらが注目している。
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