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今週の一本

●太平洋クロマグロ、未成魚の漁獲半減  井出万寿男 (週刊水産タイムス:14/09/08号)

WCPFC、日本提案に合意

 福岡で開催されていた中西部太平洋まぐろ類委員会(WCPFC)第10回北小委員会は4日閉幕し、太平洋クロマグロの保存管理措置に関して30kg未満の未成魚漁獲量を半減する日本提案に合意した。また今後10年で産卵親魚量を歴史的中間値(4万2592t)に60%以上の確率で回復させることを初期目標とした暫定複数年回復計画も決めた。

より明確な資源管理へ

 WCPFCは、中西部太平洋における高度回遊性魚類(マグロ、カツオ、カジキ類)資源の長期的な保存と持続可能な利用を目的とした委員会。北小委員会は、主に北緯20度以北の水域に分布する資源(太平洋クロマグロ、北太平洋ビンナガ、北太平洋メカジキ)の資源管理措置について本委員会に勧告を行うWCPFCの下部組織となっている。

 今回の会合の参加国・地域は日本、韓国、米国、カナダ、クック諸島、バヌアツ、台湾など。日本からは遠藤久水産庁資源管理部審議官、宮原正典農林水産省顧問(北小委員会議長)らが出席した。

 太平洋クロマグロは、今年4月に公表された北太平洋まぐろ類国際科学委員会(ISC)の資源評価結果を受け、日本が提案した未成魚漁獲量の2002年〜2004年平均からの50%削減で合意に達し、12月の本委員会での採択に向けて勧告される。

 歴史的最低水準付近にある親魚資源量(約2.6万t)を2015年からの10年間で歴史的中間値(約4.3万t)まで回復させることを当面の目標とする。また未成魚の漁獲量をWCPFC全体で9450tから4725t、うち日本は8015tから4007tに削減する。

 30kg以上の大型魚は漁獲量を2002−04年平均水準から増加させないためのあらゆる可能な措置を実施する。WCPFC全体で6591t、うち日本は4882t。

 北太平洋ビンナガについては、資源状態が健全であるとのISCの資源評価結果が確認され、さらに、予防的な管理の枠組みが合意された。親魚資源が約14万t(漁業がないと仮定して推定した現在の資源量の20%)を下回らないよう漁業を管理していく。

 北太平洋メカジキも資源状態が健全であるとのISCの資源評価結果が確認された。

 2015年の北小委員会は日本で開催される。

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