●冷食協 消費者イベントに200名超アレンジメニューで魅了
伊藤会長と対談した榊原さんは、子どもの弁当に冷凍食品を活用していた。「本当は手作りする方がいいとは思うけど、1品足りない時にはとても助かる」と率直な感想を語った。一方で、高齢であまり台所に立つことがない義母の「たまには肉が食べたい」という希望を叶えるため「冷凍ハンバーグを見つけた。柔らかくて、歯が弱くても食べられる。冷凍庫に入れておくようにした」と最近の体験を紹介し、「冷凍食品は子ども向けがメインだと考えていたが、高齢者にも活用できることを再発見した」と語った。 榊原さんは5年前から自身で野菜を栽培している。「食料自給率が39%と聞いた時に危機だと感じた。野菜がどうやって栽培されているのか知らなければ、食べさせる上で説得力に欠ける。ブロッコリーや白菜、ほうれん草、かぶ、大根……」と多くの野菜を栽培している。「自分で収穫すると、泥を洗い落とさなければならず、虫がついていると嫌になる。それで野菜離れしている人がいるかも」と付け加えた。 これを受けて伊藤会長は「冷凍野菜は一番栄養価が高い時期に収穫して急速凍結しているため、とてもいい。捨てるところがない。言い方を変えると“エコ”。野菜を5種類使う場合、2〜3種類冷凍野菜を組み合わせて使うのが賢い利用法」と提案した。 考案メニューを実演
シーフードミックスは白ワインで解凍することで上品な風味が加わり、独特の臭いがなくなる点がポイント。解凍後は包丁で軽く刻んで食べやすくした。「料理番組を通じてイタリアンのシェフに教わった」(榊原さん)という。 シュウマイ磯辺揚げは、天ぷら用の衣をつけたえび焼売を凍ったまま170℃の油で揚げるだけの簡単メニュー。天ぷら粉に青海苔と塩を加え、衣に味を付けることで、そのまま食べられる。「しょっちゅう弁当に入れていた」(榊原さん)メニュー。 長男で俳優の渡辺裕太さんが郁恵さんに宛てた手紙を紹介するサプライズもあった。弁当を作ってくれたことに感謝する内容だったが、「にんじんの千切り炒めが苦手だったのに、残すと次の日にも入っていた」と、会場の笑いを誘った。 トークイベント終了後はビュッフェ形式の試食会。ホテルシェフが冷凍食品を使った「シェフがふるまう本格メニュー」や「パッとひと手間満足メニュー」、「家族で一緒にパーティーメニュー」など、食シーンに合わせた料理でもてなし、来場者を魅了した。榊原さんも自身が考案した料理を来場者に振舞った。 冷食協の水垣宏隆副会長(エム・シーシー食品社長)は「テーブルを回って話を聞くと、『冷凍食品は使い方によっていろいろなメニューになることが分かった』という感想をいただき、これこそ協会が最も願っていることと勇気づけられた」と手応えを感じていた。 |
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