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今週の一本

●名糖運輸とヒューテック経営統合  橋本武寿 (週刊冷食タイムス:15/02/17号)

メーカー・卸のか占化に対応

 名糖運輸(林原国雄社長、資本金21億7690万円、前期連結総資産283億円)とヒューテックノオリン(綾宏將社長、同12億1756万円、同392億7500万円)は共同持株会社の(株)C&Fロジホールディングスを設立(株式移転)し、10月1日付で経営統合、同日付で共同持株会社が上場する。両社は基本合意書を10日締結。株式移転の比率は名糖運輸1に対し、ヒューテックノオリン1.44。C&Fロジホールディングスは低温食品物流企業として、ニチレイロジグループ、キユーソー流通システムに次ぐ3位の事業規模になる。

固く握手を交わす林原社長(左)と綾社長
 名糖運輸とヒューテックノオリンの両社は9月28日に上場を廃止し、C&Fロジホールディングスの傘下に入る。傘下の両社が合併する計画はないという。

 ヒューテックノオリンの綾社長は「合併の計画は今のところない。共同持株会社で両社が協力し、3社で共に汗をかく仕組みをしっかり作ろうと話を進めている」と語る。

 名糖運輸の林原社長は「両社はこれまで、低温食品物流業界にあってそれぞれがフローズン食品物流、チルド食品物流に強みを持つ企業として独自に経営を行ってきた」と振り返った上で、「少子高齢化をはじめとした社会構造の変化や、食品業界におけるメーカー・卸売業・小売業等の大規模化・か占化が進展している。さらなる大規模化、広域化、高速化など高度な食品物流品質へのニーズが高まっている」と要因を示し、「本経営統合はこういった環境変化に対応できる強い総合物流情報企業の実現をめざす、ということで合意に至った」と説明した。

 ヒューテックノオリンの綾社長は「近年の荷動きの特徴は、繁閑差の大きさ。荷主のか占化の影響もあり繁閑差が大きく、繁忙期の対応が難しくなってきている。そこで両社の施設、人的資源をうまく活用し合いたい」と語っている。

人手不足も関係

 経営統合の背景には、人手不足もある。

 両社は「人材の共有化等により生産性向上を図る」と説明している。

ベトナムでも協力、既存は手狭

 名糖運輸のベトナム子会社「メイトウベトナム」は冷蔵倉庫を現地で運営しているが、今後はヒューテックノオリンとの共同事業として、さらなる拡充を目指す方針。

 名糖運輸の林原社長は「ベトナム子会社の冷蔵倉庫は110〜120%の庫腹量で入荷を断らなければならない状態。それほど稼働状況が良い」と現状を説明した上で、「第2の倉庫を建てる場合は、ヒューテックノオリンからのアドバイスをいただく」と語っている。

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